第234回 クレイトン・M・クリステンセン『イノベーション・オブ・ライフ』

クレイトン・M・クリステンセン『イノベーション・オブ・ライフ』

皆様、こんにちは。本日は、クレイトン・M・クリステンセン『イノベーション・オブ・ライフ』(翔泳社)をご紹介したいと思います。

内容紹介

あなたは人生の重要な決定を、過去の事例や他人の経験を参考にして下せばいいと思うかもしれない。

もちろん、過去からはできる限りのことを学ぶべきだ。過去に問題に取り組んだ研究者や、将来自分が直面しそうな問題を経験した人たちから学ぶのはよいことだ。

だがそれでは、未来へ向けて船出するとき、どの情報や助言を受け入れ、どれを聞き流すべきかという、根本的な問題の解決にはならない。

これに対して、確かな理論を使ってこれから起きることを予測できれば、成功するチャンスを格段に高められる

クレイトン・M・クリステンセン『イノベーション・オブ・ライフ』

本書は、『イノベーションのジレンマ』の著者であるクレイトン・M・クリステンセン教授が、ハーバードビジネススクールで最後に行った授業の内容をまとめたものです。

タイトル通り、その内容は

  • どうすれば幸せで成功するキャリアを歩めるだろう?
  • どうすれば伴侶や家族、親族、親しい友人たちとの関係を、ゆるぎない幸せのよりどころにできるだろう?
  • どうすれば誠実な人生を送り、罪人にならずにいられるだろう?

という具合に、より幸せな人生を送るために必要な考え方がまとめられています。

『イノベーションのジレンマ』によると、優良企業は、優良企業であるがゆえに、破壊的なイノベーションに直面するとたいてい失敗してしまいます。

それと同じように、一流大学を出て一流企業に就職した優秀な人々は、優秀であるがゆえに、家庭を壊してしまったり、友人関係を最悪なものにしてしまうことが、なぜかよくあるのです。

そのような人生のジレンマを乗り越える手助けとなるために、本書を書かれました。


 

本書の冒頭で、筆者は「何を考えるべきか」よりも「どう考えるべきか」の方がずっと重要だと述べています。

人生の難題には、簡単な解決策などありません。それなのに、我々はそうした難題に直面すると、権威ある専門家たちから手っ取り早い解決策を受け取ろうとしてしまいます。そのようにして私たちは誤った決断を繰り返していくのです。

しかしそんな中でも、人生の状況に応じて賢明な選択をする手助けとなるツールが一つだけあります。それが「理論」です。

優れた理論は、私たちをビジネスだけでなく人生でも、賢明な決定に導いてくれると筆者は言います。

安直な解決策に頼ったり、他人の成功例をただ真似たりするのではなく、きちんとして理論に基づいて問題の本質に迫って考えることが重要だということでしょう。

本書では、経営学の理論をキャリア選択や人間関係、子育てなどに応用させ、幸せな人生を送るには「どう考えるべきか」を説明しています。

「幸せな人生」を目指す全ての人におすすめの一冊です!

感想

わたしたちが最も陥りやすい間違いの一つは、それさえあれば幸せになれると信じて、職業上の成功を示す、目に見えやすい証に執着することだ。

もっと高い報酬。もっと権威のある肩書き。もっと立派なオフィス。

こうしたものは結局のところ、あなたが職業的に「成功した」ことを、友人や家族に示すしるしでしかない。

だが仕事の目に見えやすい側面にとらわれたとたん、ありもしない蜃気楼を追いかけた、わたしの何人かの同級生と同じ道をたどる危険にさらされる。

今度昇給すればとうとう幸せになれると、あなたは思うかもしれない。

だがそれは雲をつかむようなものだ。

「幸せな人生」と言っても、目指すべきものは当然人によって異なるでしょう。

しかしその中でも、「充実したキャリア」というのは誰しもが目指そうとするところではないでしょうか?

本書では、仕事の満足度を「衛生要因」「動機づけ要因」という、2つの側面から説明していました。

「衛生要因」とは、それが少しでも欠けてしまうと不満につながる要因のことです。ステータス、報酬、職の安定、作業条件、企業方針、管理方法などがこれに当たると言います。

衛生要因が悪化しているのは大きな問題です。しかし、これらが望ましい状態になっていても、十分な状態とは言えません。「仕事に不満がある」の反対は「仕事に満足している」ではなく、「仕事に不満がない」程度のものです。

興味深いのは、衛生要因にはステータス報酬が含まれることです。

つまりそれは、より高い報酬やより良い肩書きが、仕事の満足度を増加させることはないことを意味します。

これは、なかなかに衝撃的な話だと思いませんか?

我々のほとんどは、「それさえ手に入れば幸せになれる」という思いで、より高い報酬やより良い肩書きを目指しています。

しかし実際には、それらが満足度や幸福度を高めることはないというのですから、我々の行為はなんとも虚しいものに感じられます。


 

それでは、本当に仕事の満足度を高めるものとはなんなのか?

それが「動機づけ要因」です。「動機づけ要因」とは、例えばやりがいのある仕事、他者による評価、責任、自己成長などがあります。

つまり動機づけ要因とは、外からの働きかけや刺激とはほとんど関係がなく、自分自身の内面や仕事の内容と密接に関わっているものです。

ここで質問なのですが、あなたは今の仕事に「動機づけ要因」を感じられているのでしょうか?もっと言えば、満足感や達成感を感じながら仕事ができているでしょうか?

本書を読んで感じたのは、「幸せな人生」のためにはまず何よりも「充実したキャリア」が必要だということです。そして「充実したキャリア」というのは「動機づけ要因」を感じられる仕事のことなのでしょう。

「動機づけ要因」を感じられる仕事を必ずどこかにあるはずです。それを見つけることが我々に課された使命なのだと、私は思います。

心から満足したいなら、自分がすばらしいと信じる仕事をするしかない。そしてすばらしい仕事をしたいなら、自分が愛する仕事をするしかない。

それがまだ見つかっていないなら、探し続けることだ。妥協するな。心の問題と同じで、そういう仕事が見つかればピンと来るものだ。

―スティーブ・ジョブズ

評価

※個人的な評価となります。

総合評価:

評判通りの素晴らしい内容でした。ぜひたくさんの人に読んでいただきたい一冊です。

こんな人におすすめ

  • 「幸せな人生を送りたい」という人
  • 「人生における重大な決断を最良のものにしたい」という人
  • 「優秀な人こそ失敗してしまう『人生のジレンマ』を乗り越えたい」という人

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