第208回 鈴木光司『なぜ勉強するのか?』

鈴木光司『なぜ勉強するのか?』

皆様、こんにちは。本日は、鈴木光司『なぜ勉強するのか?』(SBクリエイティブ)をご紹介したいと思います。

内容紹介

「勉強して得た知識など役に立たない」という声を耳にします。

勉強して手にいれた知識そのものが役に立つのではありません。

歴史の年表や化学式を記憶したとしても、専門の分野に進むのでなければ、せいぜいクイズ番組で役立つ程度でしょう。

本書で詳細にふれていきますが、将来、有効となる能力とは、「理解力」「想像力」「表現力」の三つです。

数学や外国語、歴史、理科など、さまざまなジャンル、要するに別角度からのアプローチを経て、この三つの力を養うのが勉強の本質なのです。

鈴木光司『なぜ勉強するのか?』

本書のタイトルは『なぜ勉強するのか?』。あなたも小さい頃、一度はそう考えたことがあるのではないでしょうか?

また、もしあなたのお子さんがそう尋ねてきたら、きちんと勉強する理由を答えられるでしょうか?

よく「学校の勉強は社会に出たらなんの役にも立たない」と言われているのを耳にします。

確かに、「フランス革命が何年に起こったか?」を聞かれることなどありませんでした。微分・積分の知識を使う場もなかったですし、おそらくこれからもないでしょう。

そう考えれば、学校で身につけた「知識」に関しては、本当に社会に出たら役に立たないのかもしれません。役に立つとしても、せいぜいクイズ番組や小ネタで使える程度でしょう。

それでは、学校で勉強する意味はないのか?

いいえ、そうではありません。

学校で本当に身につけるべき能力、そして社会に出てからも必要とされる能力は、「理解力」、「想像力」、「表現力」であり、勉強する意味とは、この3つの能力を身につけることだと筆者は語ります。

何か新しい知識を身につけようとしたら、教科書のそれに関する記述を正確に読み取り、内容を自分なりに整理しなければなりません。この能力が「理解力」です。

次に、自分の生きてきた体験や新たに自分で得た関連知識を付け加え、さらに理解を深めていきます。この過程で養われるのが「想像力」。

そして、いざ試験となれば、自分の身につけた知識を論理立てて文章にする「表現力」が求められます。

こうすることで、単に新しい知識を吸収していくだけでなく、理解力・想像力・表現力を鍛えていくのです。

学校の勉強を受験を突破するためだけの「知識の詰め込み」と考えてしまえば、勉強はただただつらいものにしかなりません

我々は、子供達に合理的な勉強する意味、そして勉強する喜びをきちんと教えていかなければならないのです。

本書を通して、まずはあなた自身が「勉強する意味」について考えてみてはいかがでしょうか?

感想

「学校の勉強とは、理解力・想像力・表現力を鍛えるものだ」という筆者の主張には感心させられました。そして全面的に同意します。

少しばかりですが、私には塾講師として働いた経験があります。そこで感じたのは、勉強が苦手な子は、これら3つの能力がやはり不足しているということです。

問題集の解説を読んでもその意味を理解できなかったり、そもそも教科書の内容を理解できていなかったり…

そして最も特徴的だと感じたのが、勉強が苦手な子は、わからない問題に直面した時に「どの本のどの部分を参考にすれば分かるのか」について判断するのが苦手です。

つまり、「自分が知りたい情報は、何をみれば分かるのか」を適切に判断できません

しかし、これこそはまさに社会に出てからも必要とされる能力なのではないでしょうか?

「◯◯について調べておいて」と上司から頼めれても、何を見ればそれについて分かるのかを判断できなければ作業のしようがありません。

「インターネットを見ればなんでも分かる」「インターネットにはなんでも書いてある」という意見は、個人的にはある程度正しいとは思うのですが、だからと言って、それらの情報が全て利用可能であるという意味ではない気がします。

まず、検索するためのキーワードは自分の知識によって制限されてしまいます。

また、情報量が膨大すぎる故に、「このページには自分の求めている情報がなさそうだ」というなんとなくの見切りがつけられないと、いつまでたっても欲しい情報にたどり着けません。

上にも書いた通り、学校で身につけた知識のほとんどは役に立ちません。仮に使うことがあっても、インターネットで調べれば、簡単に出てくるのですから、いよいよ価値がないように思われます。

そんな時代に生きる我々は、上記の理解力・想像力・表現力に加え「調べる力」を身につけるべきだと、私は考えます。

現状を考えれば、「勉強は受験のためにするのではない」という綺麗事も言えないでしょう。効率的な知識の習得は、それはそれで意味があります。

しかし、わからない問題の知識を覚えることよりも、「分からない問題は、どうすれば分かるようになるのか?」について考える機会はもっと大切なのではないでしょうか。

評価

※個人的な評価となります。

総合評価:

大変素晴らしい内容でした。ぜひ多くの人に読んでいただきたい本です。

主張がシンプルで、分量も少ないためとても読みやすいです。タイトルの「なぜ勉強するのか?」という問いに、きちんと答えられない人にとっては、とても参考になる内容でしょう。

こんな人におすすめ

  • 「勉強する意味が分からない…」と悩んでいる人
  • 「子供がなかなか勉強しない」とお悩みの親御さん
  • 「勉強する意味について考えてみたい」という人

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