第177回 松本徹三『AIが神になる日 シンギュラリティーが人類を救う』

松本徹三『AIが神になる日 シンギュラリティーが人類を救う』

皆様、こんにちは。本日は、松本徹三『AIが神になる日 シンギュラリティーが人類を救う』(SBクリエイティブ)をご紹介したいと思います。

松本徹三『AIが神になる日 シンギュラリティーが人類を救う』

内容紹介

AI(人工知能)に対する人々の認知度が高まり、ビジネスへの活用についての議論も活発になってきた現在、「AI脅威論」もささやかれはじめました。たとえば、ビッグバン理論で有名な理論物理学者のホーキング博士などは、「AIは人類を滅ぼす」と警告しています。

しかし、私の考えはこれとはまったく正反対です。私は、「AIが人間に代わって世界を支配しなければ、人類は必ず滅びる」と考えています。しかも、「残された時間はもうあまりない」とも考えています。

松本徹三『AIが神になる日 シンギュラリティーが人類を救う』

「AIは、かなり早い時期に、必ずシンギュラリティーに到達する」。そう筆者は語ります。

「シンギュラリティー」と日本語で「技術的特異点」と訳されます。

簡単に言えば、AIが人間を超えるタイミングのことです。

当初は人間がプログラムした検索や推論の方法もAIが次々に自力で解決し、「より優れたAI」を自ら作り出します。

そしてそのAIが「その次の世代のAI」を作り出し、とてつもない速さで発展を続け、現在の我々には想像もできないような世界が訪れるのです。

ちなみに1.1の1000乗は途方もない数で、およそ10の41乗だと知られています。

つまり、AIが自らの性能を少しでも上回るようなAIを作り出せるようになれば、途端に加速度的に発展をとげ、我々の想像をはるかに超えた全く新しい世界が実現することになります。

もしそうのようなシンギュラリティーが訪れたら、我々人類はAIとどのように向き合うべきなのか。

筆者はその疑問に対し、「AIの判断に全て従うしかない」と答えています。

AIを新しい神として受け入れ、人間の手の届かないところに隔離し、自分自身の将来を開拓させるべきだというのです。

人間とは所詮不完全な生き物です。感情に流され、しばしば誤った判断を下します。

一方でAIには感情も先入観もありません。合理的な意思決定ができるという意味では、人間よりも圧倒的にAIが優れています。

だからこそ、我々はAIの判断に全て従うしかないのです。

そして、もしそのような世界が訪れた時に、我々人間に残された生き方とはどのようなものになるのでしょうか?

本書を通して、今後人類はAIとどのように向き合っていくべきかを考えます。

感想

当ブログでも人工知能を題材にした書籍は何冊か取り扱ってきました。

第168回 羽生善治『人工知能の核心』の記事の中で、「AIの判断は確かにかなり合理的なのだろうが、人間とは必ずしも合理的に行動するものではない。だから、今後しばらくの間はAIの判断は参考程度に、最終的な決定は人間が下すべきではないか。」という考えを述べました。

さらに言えば、何が合理的な意思決定であるのかという問題は、人がそれぞれ抱えている価値観によって大きく左右されます。

ある人にとっては最善の選択も、またある人にとっては最悪の選択になりうるのです。

そういう意味で、あらゆる意思決定をAIに託すというのは、非現実的なことなのだと考えていました。

しかし本書を読んで思ったことは、本当に「AIが神になる日」が来るのかもしれないということです。

そもそも人間は、この地球上に生息する動物の一種にすぎず、そんなに立派な動物でもありません。

様々な感情に突き動かされて、時には争い合い、騙し合い、妬み合い、殺し合うことすらあるのです。

そんな人間の意思決定こそが最善である、最も優先されるべきであると考えることがそもそも間違いなのかもしれません。

筆者は、「いい加減に生まれてきた人間が、その中途半端な能力ゆえに自らを滅ぼしてしまう前に、それを阻止する力を持ったAIという新しい『神』を作り出さなければならない」と語っています。

人間が不完全な動物であり、合理的な意思決定ができないのであれば、人間同士でもコンセンサスが取れないような難しい意思決定は、なおさらAIに任せる他ないのかもしれません。

そう考えると、ゆくゆくは確かに「AIが神になる日」が訪れそうです。

評価

※個人的な評価となります。

総合評価:

今後の人類とAIの関わり方について、非常に鋭い考察がなされていると感じました。人工知能の未来について語った書籍は他にもたくさんありますが、本書の視点はその中でも独特だと感じます。

「AIに興味がある」という方にはぜひおすすめしたいです。

こんな人におすすめ

  • 「人工知能に興味がある」という人
  • 「人工知能の未来について勉強したい」という人
  • 「今後の人間と人工知能の関わり方について考えたい」という人

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