第163回 金沢優『もしも高校四年性があったら、英語を話せるようになるのか』

金沢優『もしも高校四年性があったら、英語を話せるようになるのか』

皆様、こんにちは。本日は、金沢優『もしも高校四年性があったら、英語を話せるようになるのか』(幻冬社)をご紹介したいと思います。

内容紹介

主人公の中学校英語科教師・桜木真穂(28)は受験英語やTOEICなどでは点は取れるが、実際の英会話が不得手で、日々頭を悩ませていた。

そんな折、真帆はある英会話スクールと巡り合う。そこでは、

  1. 英語の日本語訳は禁止
  2. イメージで英語を捉える
  3. 文字を極力使わない

という画期的な教え方がなされていた。

初めは戸惑いを隠せない真穂であったが、練習の末、徐々に英語が話せるようになっていく。

そして同時に、学校の英語教育に強い不信感を覚え、生徒のために新しい英語の授業の形を模索し始める真穂だったが、そこには反対する旧体質の教師が立ちはだかる。

アジア最低レベルまでに落ちた日本の英語教育は再び栄光を取り戻せるのか?

全日本人の贈る、世界初の英会話サクセスストーリー。

「学校英語で話せるようになるなんて幻想だ!」

本書の中に、そう強く強調されている場面がありました。

我々は中学・高校と6年間も英語を勉強したのに、なぜ一向に話せるようにはならないのでしょうか?

本書では、その理由を「英語教育の歴史」という新たな視点から説明していました。

日本で英語教育が盛んに行われるようになったのは、明治時代以降だそうですが、その頃はとにかく英語の文献を日本語に翻訳して知識を広めるというのが最大の目的だったのです。

その名残から、今でも学校英語では「読み」の分野に過剰に重点を置いた指導がなされています。

しかし、現代になって時代は大きく変化しました。

当時としては合理的であった英語教育の形も、時代の変化とともに変革を余儀なくされているのです。

今やグローバル化の進展によって「翻訳のための英語」ではなく「使う英語」を本当に身につけなければならない時代になっています。

そして、ほぼ間違いなくグローバル化の進展は今後ますます加速するでしょう。

残念なことに、今はもはや「英語ができる」というのが強みにならない時代です。

これは「英語ができることに価値がなくなったから」という意味では決してなく、もはや世界的に見れば英語ができることが当たり前で、「英語ができるからといって」という時代になったという意味です。

そんな時代において、未だに「テストのための英語」で満足している我々日本人は、危機感を感じなければならないのかもしれません。

本書を通して、「なぜ日本の英語教育では英語が話せるようにならないのか」、そして「本当に話せるようになるためにはどんな方法で学習すべきなのか」を学びます。

感想

本書の中で、「英語が話せないのは結局、単語を知らないからだ」と主張する部分があります。

「高校時代、単語帳がボロボロになるまで勉強したんだ。だから、単語はそれなりに知っている。」と思う方もいるでしょう。実際、私も初めはそう思いました。

それでは、「⑴政治 ⑵革命 ⑶選挙 ⑷環境 ⑸農業」これらの単語を英語に直せるでしょうか?

おそらく結構な方ができるのではないかと思います。

正解は、「⑴politics ⑵revolution ⑶election  ⑷environment ⑸agriculture」です。

それでは、次の問題はどうでしょう。

「⑴タバコの吸殻 ⑵燃えないゴミ ⑶くわ ⑷スコップ ⑸体温計」

おそらく今度はどれもできないのではないでしょうか?

これは本書の中で実際に紹介されていた問題ですが、これを見たときに、我々が英語を話せるようにならない本質はまさにここにあるのではないかと感じたのです。

我々は「革命」という英単語は知っているのに、毎日目にする「タバコの吸殻」や「燃えないゴミ」という単語を知らないのです。

こう考えると、確かに我々は「テストのための英語」ばかりを勉強していたことに気づきます。


 

このグローバル化の現代で、日本人として英語の非ネイティブに生まれたことは、ある意味悔やまれることなのかもしれません。

しかし、こればかりは我々がどうにかできる問題ではありません。

本書の中にも、「英語を話すのはどっちだ?お前か私か?」と問う場面があります。

もちろん英語を話すのは「私」です。

だとすれば、英語を話せるかどうかは、非ネイティブとして生まれたという環境や学校のカリキュラムのよるものではなく、結局は自分次第ということでしょう。

本書を読んで、英語学習の正しいやり方を知った今、「今度こそは英語が少しはできるようになるのではないか」、そのように感じます。

評価

※個人的な評価となります。

総合評価:

最近では「日本の英語教育では話せるようにならない」と主張する本が増えています。そのためか、「英会話スクールでネイティブと会話すべき」、「海外ドラマをとことん見るべき」という新たな英語学習の方法が話題になっているのですが、それでも話せるようにはならないのです。

本書は、「なぜ日本の英語教育では話せるようにならないのか?」そして「どうすれば英語が話せるようになるのか?」という疑問に対し、これまでよりもさらに一段上のレベルで答えを示してくれていると感じました。

「英語が話せるようになりたい」という全ての人におすすめします。

こんな人におすすめ

  • 「英語が話せるようになりたい」という人
  • 「英会話スクールに通ったが、結局英語が話せるようにならなかった」という人
  • 「『洋書を読む』、『洋楽を聴く』、『海外ドラマを見る』など、どんな方法を試しても結局うまくいかなかった」という人

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