第155回 田中耕比古『仕事の基礎力』

田中耕比古『仕事の基礎力』

皆様、こんにちは。本日は、田中耕比古『仕事の基礎力』(すばる舎)をご紹介したいと思います。

内容紹介

武術の世界に「守破離」という言葉があります。型を守って身に付けて、その型を破って応用し、最後に型から離れて自分のやり方を見出す、というお話です。

これは、仕事に取り組む際にも重要な考え方です。

多くの人が「型」をおろそかにしたり、場合によっては馬鹿にしたりもしますが、自分なりの仕事のやり方を身に付けるのは、型を忠実に守り、身に付けた後です。

田中耕比古『仕事の基礎力』

「仕事にも身につけるべき『型』がある」。筆者は冒頭でそのように語ります。

「多くの人の心を揺さぶるプレゼンがしたい」「革新的な企画を作りたい」「もっと大きな案件を任されるようになりたい」

その願いを様々であれ、仕事をしていれば周囲の人から一目置かれたいという思いを誰しもが抱いているのではないでしょうか?

しかし、これらの能力は当然ですが、一朝一夕で身につくものではありません。長年の経験と学習がなせる技と言えるでしょう。

そこで筆者は、周囲を驚かせるような成果をあげるには、まず「仕事の基礎力」を身につけるべきだと語ります。

仕事に限った話ではないですが、何事も「基礎力」があった上での「応用力」です。

日々の業務を効率的・生産的にこなせない人には大きなプロジェクトへ参加するチャンスは巡ってこないでしょうし、仮に巡ってきたとしても能力不足で、皆を驚かせるような成果をあげるのは不可能でしょう。


 

筆者の田中氏は現在、戦略コンサルタントとして活躍されているそうですが、元はシステムエンジニアとして働いていたそうです。

コンサルタントに転職した直後は、先輩コンサルタントたちの仕事の効率性には驚いたと言います。

そして、どうすれば先輩コンサルタントのように無駄を徹底的に省いて、仕事生産的なものになるかを考えた結果、「仕事の基礎力」を身につけるべきだと結論に至ったのです。

”基礎力”という言葉の通り、本書で紹介されているスキル・テクニックのひとつひとつは、ごく当たり前のことだと感じるかもしれません。

しかし、それが実践できているかと言われれば、それは別の問題です。

「当たり前で簡単にできること」と「誰もが当たり前に実行していること」は同じ意味ではありません。

その意味で、入社したての新入社員はもちろん、勤続年数も長くなり重要な役職を任せられているような中堅社員にも、ぜひ本書をおすすめしたいです。

感想

本書には「仕事の基礎力」を高めるようなテクニックや仕事に対する考え方が、計33個紹介されていました。

中でも、個人的に特に印象的だと感じたのが、「『仕事重視』の期間を上手につくる」という考え方です。

近年、「ワークライフバランスを重視すべきだ」というスローガンのもと、定時で退社すること、週休2日を確保することが尊ばれるようになっています。

労働環境が劣悪になり、「ブッラク企業」や「社畜」という言葉が流行る世の中ですから、これはこれで良い動きなのだと感じます。

しかし、筆者はそのような世の中の動きに疑問を提起していました。

ワークライフバランスを重んじるという考えには筆者も賛同していたのですが、それは「人生全体を通じたワークライフバランス」なのではないか、と筆者は語ります。

いくらワークライフバランスが重要だとは言いつつも、1時間単位で、「30分は仕事、30分はプライベート」とバランスをとる人はおそらくいないでしょう。

そう考えると、「1日単位でワークラーフバランスを取る必要があるのか?」と考えることもできるわけです。

仕事をする期間は、一般的に約40年間あります。

よって、40年間を通してワークライフバランスをとることこそが、本当のワークライフバランスなのではないかというのが筆者の主張です。

 

最近、「仕事に没頭し、仕事を生きがいにすることだけが人生ではない」という主張がなされます。

しかし、逆に言えば、「仕事に没頭し、仕事を生きがいにすること」も生き方のモデルの一つではあるのです。

特に若い時というのは、体力もやる気も十分にあって、やろうと思えば、ずっと仕事がしていられるという人も少ないないはずです。

そう考えると、人生全体としてワークライフバランスをとるために、若い頃は「起きている時間は全て仕事に捧げる」という生き方も悪くはないのかもしれないと、本書を読んで感じました。

若い頃にバリバリ働いていれば、体力が落ち、家族ができた時には、家族のために十分な時間が取れるのです。子供が独り立ちしたら、趣味や新たな仕事に集中できるかもしれません。

そうなれば、結果としてワークライフバランスが取れていることになります。

本書を読んで、「人生全体でのワークラーフバランス」という重要な考えを学びました。

評価

※個人的な評価となります。

総合評価:

「仕事の基礎力」というタイトルにふさわしい素晴らしい内容でした。Amazonのレビューで「新人研修の教材として使える」といういったようなコメントがあったのですが、まさにそのように感じます。仕事を効率的・生産的なものにする上で身につけるべきスキル・考え方をわかりやすく解説する、まさに”教科書”のような本です。

こんな人におすすめ

  • 「効率的に仕事をこなせるようになりたい」という人
  • 「仕事ができるようになって、周囲から一目置かれたい」という人
  • 「仕事をする上での基礎的なスキル・考え方を学びたい」という人

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