第153回 ケン・ シーガル『Think Simple アップルを生みだす熱狂的哲学』

ケン・ シーガル『Think Simple アップルを生みだす熱狂的哲学』

皆様、こんにちは。本日は、ケン・ シーガル『Think Simple アップルを生みだす熱狂的哲学』(NHK出版)をご紹介したいと思います。

内容紹介

シンプルであることは、複雑であることよりもむずかしい。

物事をシンプルにするためには、懸命に努力して思考を明瞭にしなければならないからだ。

だが、それだけの価値はある。

なぜなら、ひとたびそこに到達できれば、山をも動かせるからだ。

――スティーブ・ジョブズ

今はや世界最大級の企業に成長したAppleですが、その躍進の裏には「シンプル」という哲学があるのだと筆者は語ります。

確かにApple製品は、どれもとことん「シンプル」を追求しているように感じます。

iPhoneは無駄なボタンを一切排除し、唯一残ったのがホームボタンです。これは、当時の携帯電話の常識では考えられないようなデザインでした。

また、各製品の名前を見てもシンプルさが伺えます。iPhone、iPod、iMac、MacBook…。いずれも短くてわかりやすいネーミングが施されています。

もしiMacの製品名が「AIM-7700W」(これは架空の名前ですが)などだったらどうでしょうか?途端にシンプルさは消え、なんともセンスのない名前になります。

さらに、AppleのWebページやアップルストアに並べられている製品はごくわずかで、製品ラインナップも非常に単純化されています。


 

さらに言うならば、Appleの製品はシンプルでありながら、常に革新的であり続けます。

ジョブズはヘンリー・フォードの名言をよく引用したそうです。「世間一般の人に何が欲しいかと聞いたら、より速い馬と言うだろう」

一般の人には想像もつかないような製品を生み出すことこそがAppleの仕事だと考えていたのです。

そしてそのAppleの最も重要な哲学が「シンプル」だと言います。

上にも引用した通り、ジョブズ自身、「シンプルであることは、複雑であることよりもむずかしい」と語ります。

しかし、ひとたびシンプルな思考を身につければ、山をも動かす力になるのです。

Appleの革新的な製品は、まさに彼が語る、シンプルさを極めた先の無限の力によるものなのでしょうか。

本書を通して、Appleが今ほどの大企業に成長するまでの奇跡と、その躍進に隠された「シンプル」という哲学について学びます。

感想

非常に個人的な話で恐縮なのですが、私自身Appleの熱狂的なファンの一人です。

このブログを執筆している今もMacBookを使って記事を書いていますし、今紹介している本も電子書籍版を購入して、iPad・iPhoneで読みました。

なぜ好きなのかと聞かれれば、理由は様々あるのですが、まず第一にその洗練されたデザインが非常に魅力的だからです。

そして本書を読んで、その洗練されたデザインの裏には、「シンプル」という哲学が隠されていることを知りました。

本書の冒頭でも述べられていたのですが、「シンプル」とは単純のことだが、「シンプルにすること」は決して単純ではないのです。

「シンプルにする」とは無駄な部分を排除していき、物事を単純化していく作業のことですが、そうするためには「どれが必要で、どれが無駄なのか」をきちんと認識していなければなりません。

つまり物事のエッセンスだけを的確に取り出す必要があるのです。

その識別を誤ってしまえば、Apple製品はただのローテクなデバイスになっていたことでしょう。

よって、「シンプルにすること」はそのまま「本質を見抜くこと」とも言い換えていいのではないでしょうか。

そう考えれば、「シンプル」という哲学は製品開発の場だけではなく、様々な場面に応用可能であることに気づきます。

冒頭で本書を誰のために書かれた本かについて言及する部分がありました。そこには、「この本はもちろんマーケティングの本であるが、その他大勢の読者にもきっと役立つであろう」という趣旨の内容が書かれています。

文章を書くにしても、プレゼンをするにしても、企画書を書くにしても、「あれもこれも」と考えることは楽でしょう。なぜなら、本質をきちんと見抜く努力をせずに済むからです。

しかし、ジョブズの語るところやAppleのこれまでの軌跡を見る限り、複雑さからは何も生まれません

Appleファンの一人として、製品を好んで使いばかりではなく、「シンプル」というその哲学も見習いたいと感じます。

評価

※個人的な評価となります。

総合評価:

「シンプル」という哲学がいかに重要で、いかに素晴らしいものかを学ぶことができました。ぜひ多くの人に読んでもらいたいと感じます。

ただ一つ欠点を挙げるとすれば、Appleの製品開発のエピソードや大企業に成長するまでの過程を説明した部分があまりにも長いと感じます。興味のない人にとってはかなり退屈な内容にもなってしまうので、適切に読み飛ばすことも必要かもしれません。

こんな人におすすめ

  • 「シンプルな思考を身に付けたい」という人
  • 「Appleがこれほどの大企業に成長した秘訣を知りたい」という人
  • 「Appleの様々なエピソーヂが知りたい」という人

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