第148回 船川淳志『知力をつくる技術 あなたが「総合的な知的能力」を鍛える48のレッスン』

船川淳志『知力をつくる技術 あなたが「総合的な知的能力」を鍛える48のレッスン』

皆様、こんにちは。本日は、船川淳志『知力をつくる技術 あなたが「総合的な知的能力」を鍛える48のレッスン』(あさ出版)をご紹介したいと思います。

内容紹介

「今、求められているほんものの知力」とはどのようなものでしょうか?絞り込んで定義づけすれば、私は次のような「力」の総合力であると考えています。

  1. 自ら能動的に思考する力
  2. 考え方の異なる他者を理解する力
  3. 論理的に明確な推論や検証ができる力
  4. 自由で柔軟な想像力
  5. 自分の専門知識を絶えず深めていく力
  6. 他の分野に対する好奇心を持ち、垣根を越えて共同作業を進める力

これらの総合力が備わっていれば、「多異変な時代」にあって、判断を過たずに自己実現をはかり、成長を続けていくことができるでしょう。

船川淳志『知力をつくる技術 あなたが「総合的な知的能力」を鍛える48のレッスン』

「あなたの出身学校はどこですか?」

日本の社会ではよくなされる質問です。日本は世界的に見ても特に「学歴」を重視する社会だと言われています。

それも、大学で何も学んだかという本質的な意味より、単に「どの大学を出たのか」という受験歴の意味合いが強くなっているのが現実です。

しかし最近になって、学歴や受験歴は無条件に知力の高さ・仕事の出来を反映するものではない、という主張がよくなされています。

本書の筆者もその主張を支持し、「学力」と「知力」は似て非なるものなのだと語ります。

さらに、これもよく言われることですが、現代はあらゆるものが驚異的な速さで変化する時代です。筆者はこの時代のことを独自の造語で「多異変(たいへん)な時代」と表現しています。

そして、この変化の激しい時代に求められる能力とは、

  • 「どんな人とも雑談を楽しめる対人能力と、自らの知的引き出しを広げながら新しいことを学びとる力」
  • 「国籍、民族、宗教の違いを超えて、仕事を遂行できる対話能力、問題解決能力、垣根を越えて協業できる能力」

であると筆者は主張していました。

当然のことながら、これらの能力は単なる「学力」ではありません。いわゆる”お勉強”では身につかない能力です。

誰もがいつでもどこでもインターネットにつながる現代では、単に「知っている」というレベルではもはや無意味です。

これからは知識の量よりも知力の広さが試される時代と言えるでしょう。

本書を通して、「ほんものの知力」のつくり方を学びます。

感想

本書の中で、筆者は「文部科学省の3つの大罪」と称して、おもしろい内容の主張をしていました。少しご紹介します。

文部科学省の3つの大罪とは、

  1. 知っているかいなかの知識偏量で、考えることを軽視した教育
  2. 1問1答主義
  3. 理系と文系の深い溝

です。

私が個人的におもしろいと思ったのは③の「理系と文系の深い溝」というものです。

そう言われてみると、確かに理系と文系の溝は深いように感じます。

「私は理系なので…」「私は文系なので…」という表現からもわかる通り、お互いがお互いの領域に侵入してはならないかのような雰囲気です。

そしてこの「私は理系なので…」「私は文系なので…」という表現には、「私は文系だから、○○については知らなくて当然だ!」というようなニュアンスが含まれてしまっているのがさらに問題です。

今は、非常に強気な態度で「知らない」「わからない」と言ってくる人がいるというのもなんだか悲しいですね…


 

これは個人的な意見ですが、この背景にあるのは文理の選択がどのようになされるかが大きく影響していると感じます。

「数学が好きで、数学を学びたいから理系に行く!」という人がいないわけではありませんが、現実の文理の選択はもっと消極的なものだと感じます。

つまり、「自分は歴史が嫌いだから、歴史をやらずに済む理系に行こう」、同じく「自分は数学が嫌いだから、数学をやらずに済む文系に行こう」というのが現実なのではないでしょうか?

現代のように情報技術が発達し、技術革新が進んだ時代では、文系・理系の差はもはや意味を持ちません

それなのに、「私は理系なので…」「私は文系なので…」という言葉で自分の無知を正当化しているようでは「ほんものの知力」はつけられないでしょう。

ちなみに筆者はこのことを「知的傲慢」と呼んでいました。

あらゆる分野の知識が融合していく現代で、「私は理系なので…」「私は文系なので…」という言い訳はしていられません。

知的傲慢に陥らず、日々あらゆる分野の知識を吸収し続けなければならないのだと痛感しました。

評価

※個人的な評価となります。

総合評価:

筆者が語る通り、現代の日本の教育は、「知っているか否か」とう知識の量を重視するもので、考えることは軽視されていると感じます。

しかし、インターネットで調べれば大概のことは知識はわかる現代で、「知っているか否か」ということはそれほど重要ではないのです。

「これからの時代知識をどのように応用させて行くか」「どのように『ほんものの知力』を身につけて行くのか」を学べる優れた書籍だと感じます。

こんな人におすすめ

  • 「考える力を伸ばしたい」という人
  • 「今後、学歴や知識の量以上に求められる『知力』について学びたい」という人

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