第147回 佐藤航陽『未来に先回りする思考法』

佐藤航陽『未来に先回りする思考法』

皆様、こんにちは。本日は、佐藤航陽『未来に先回りする思考法』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)をご紹介したいと思います。

内容紹介

本書は、世界中で、ビジネスの最前線に立ち試行錯誤を繰り返した末に得られた、「社会の変化を一本の線として考えるための原理原則」をまとめたものです。社会という、複雑で正体不明なものを理解しようとしてきた自分の思考プロセスが、読者の方にとって多少なりとも有益なものになることを願っています。

佐藤航陽『未来に先回りする思考法』

まず、以下の引用文をご覧ください。

「『空気よりも思い』空飛ぶ機械は不可能である。」

王位科学協会会長 ロード・ケルビン

「私が思うに、コンピュータの市場は世界的に見て多分5台くらいだろう。」

IBM会長 トーマス・ワトソン

「どんな人でも640キロバイト(のRAM)があれば十分なはずだ。」

マイクロソフト会長 ビル・ゲイツ

このようになぜ多くの人は、未来を見誤ってしまうのでしょうか?

飛行機は当然のように実現しましたし、コンピュータの市場は今や一人一台規模、ましてや最新のパソコンのメモリが640KBなど考えられません。

これはある意味当然といえば当然で、未来を正確に予想することは不可能です。

しかし一方で、驚くほどの先見力を発揮し大きな成果をあげる人もいます。

その最も典型的な例は、アップル社のスティーブ・ジョブズでしょう。

なんと彼は1980年代、当時30代だった頃から、人々がスマホを持ち、それを自在に操作する未来を思い描いていたというのです。

ほとんどの人が未来を見誤る一方で、ごく少数の人だけは未来に先回りすることができる。

この両者を分けているものとは一体なんなのでしょうか?

筆者はそれを「思考法」の違いだと語ります。

大多数の人は、今目の前で起きていることからしか将来を予想することができません。

しかしよく考えれば当たり前のことですが、今の常識で未来を正確に予想することは不可能なのです。

また、未来を正確に予想することは不可能だが、社会の変化には一定のパターンがあると筆者は述べています。

そのパターンを見抜きことができれば、将来起こりうる変化を予測し、対処することが可能になるというのです。

本書を通して、「社会の変化における一定のパターン」を知り、「未来に先回りする思考法」を学びます。

感想

本書の内容で特に印象的だったのは、「ロジカルシンキングを疑う」という内容です。

「ロジカルシンキング」は最近何かと話題になっていますが、それは必ずしも「成功」に直結するわけではないと筆者は主張していました。

もちろん、ロジカルシンキングの有用性を否定した内容ではありません。筆者自身、ビジネスの場でロジカルシンキングが役立つことは認めています。

しかし、「未来を先回りする」という観点において、ロジカルシンキングを疑ってみるべきだと言うのです。

というのは、そもそも論理性が高いということは誰もが納得可能であるということです。

そこで問題なのが、「誰もが納得できる」内容で本当に成功できるのか?ということです。

一般に他より抜きん出て成功を収めるには、人とは違ったことをしなければならないと言われています。

しかしこれはロジカルシンキングとは正反対の性格なのです。

実際、FacebookがInstagramを買収した際、Instagramの企業価値は買収額には遠く及ばず、誰もが論理性・合理性を欠いていると思ったそうです。

結果はというと、その後Instagramの利用者は急増し、結果だけを見ればInstagramの買収は非常に合理的でした。


 

このようにロジカルシンキングには限界があるのもまた事実です。

というのも、ロジカルシンキングが求める”論理性”というのは、”今の”常識の中で論理性であり、集められる情報の範囲での論理性であるからです。

上でも述べた通り、今目の前で起こっていることだけを見て、将来を性格に予想することは不可能なのです。

そう考えると、変化の激しい現代で合理的な意思決定をしたいと思うなら、皮肉にも、ある程度合理性を欠いており、不確実性を含んだ意思決定が必要なのかもしれません。

評価

※個人的な評価となります。

総合評価:

「社会をこれまでどのようなパターンに則って変化を遂げてきたか」「そのパターンを考えると、今後はどのような変化が予測できるか」について筆者の考えは秀逸でした。筆者の佐藤氏は、グローバル企業の経営者だそうですが、やはり経営者にしか見えない未来の姿はあるのだと実感しました。

内容はまさに「未来を先回りする思考法」というもので、多くの人におすすめします。

こんな人におすすめ

  • 「先見力を高め、ビジネスに応用したい」という人
  • 「今後、世界がどのように変化し得るか知りたい」という人

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