第146回 田村洋一『ディベート道場 思考と対話の稽古』

田村洋一『ディベート道場 思考と対話の稽古』

皆様、こんにちは。本日は、田村洋一『ディベート道場 思考と対話の稽古』(Evolving)をご紹介したいと思います。

内容紹介

ディベートの訓練によって可能になるものの筆頭は「徹底した思考」、とりわけ「意思決定のための思考」です。

複雑化する現代社会において常に求められるのが、厳しい決断をする力です。しかもその決断は、難しい課題を多くの関係者と共有し、対話や議論を重ねたうえで下されなければならないものです。

田村洋一『ディベート道場 思考と対話の稽古』

「ディベート」という言葉を聞いて皆様はどのような印象を抱くでしょうか?

「日常生活では馴染みが薄すぎて、特に印象もない」という人もいるでしょうか。私個人の話をするなら、「あまり良い印象ではない」というのが本音です。

というのも、私の経験してきたディベートは、お互いの意見を高め合うという本来の目的から逸れて、なんというか「相手を論破できさえすれば良い」という雰囲気が漂っていたからです。

つまり、ディベートとは詭弁や単なる言い負かし合いなのではないかと思っていました。

実際、ディベート”大会”、”競技用”ディベートといったように、勝敗を最優先とするディベートもあるようですから、やはりあまり良い印象ではありません。

また、ディベートも純粋な意見のぶつけ合いならいいのですが、場合によっては批判の対象が人に移り、人格攻撃に発展してしまうことも珍しくありません。

最近のネット上の論争を見ていると、人格攻撃の醜さを痛感します。

繰り返しになりますが、私個人としては「ディベート」という言葉に対し、あまり良い印象はありませんでした。


 

本書を読んで、すぐにディベートに対する印象が改まったかというと、そんなことはないですが、ディベートに対する認識を改めることができました。

まず当然ですが、ディベートとは詭弁や単なる言い負かし合いではありません

ディベートによって、「徹底した論理的思考力」と「合理的な意思決定能力」が養われると筆者は述べていました。

考えてみれば、複雑化した現代社会で、はっきり白黒つけられる問題などそれほど多くありません。ほとんどが白黒どちらとも言い難く、グレーに属するようなものばかりです。

そうであるなら、対立する2つの意見をぶつけ合い、より高次元な解決策へ昇華させていくことが重要なのではないでしょうか。

そして、それを実現させるために有効なのが「ディベート」です。

本書を通して、「ディベートとは何か?」「どうやって行うのか?」「どのような能力が鍛えられるか?」といった、ディベートに関するあらゆることを学びます。

感想

上にも書いた通り、特に本書を読む前は、ディベートに対してそれほど良い印象はありませんでした。

しかし、ディベートによって「論理的思考力」が鍛えられるというのは非常に魅力的だと感じます。

なぜディベートで論理的思考力が鍛えられるかという説明は様々なされていましたが、まず自らの主張をするために、与えられたテーマについて徹底的に調べ、考えを巡らせなければならないからです。

これは当然といえば当然で、別にディベートにのみ求められる課題ではありません。プレゼンをしなければならないとなれば、皆様も徹底した調査を行い、プレゼン資料を作るはずです。

しかしディベートでは、「自分の主張」だけでなく「相手の主張」を想定する機会が与えられます。

さらにいえば、競技上では自分の本当の意見とは逆の立場で、議論を交わさなければならないことがあるのです。

つまり、強制的に反対意見を考えることになります。

反対意見をきちんと考慮に入れることができれば、独りよがりな主張を強引に押し通そうとすることは少なくなるでしょう。

皆様の周りにも、独りよがりな意見を頑なに持ち続けている人はいないでしょうか?

もしいるとすれば、その人はおそらく周囲からあまり良く思われていないのではないでしょうか?

そういう人は、反対意見を聞き入れようとせず、かなり視野の狭い思考に陥っているのです。


 

ディベートが本当に上手な人は、ただ自分の主張を強調するばかりでなく、相手の主張に対し、柔軟に自分の主張を変えることができると聞きます。

つまり、論理的思考力に優れた人とは、あらゆる意見を聞き入れ、視野の広い思考ができる人とも言えるでしょうか。

そう考えると、論理的思考力を鍛えるには、ディベートとまでは行かずとも、頻繁に自分とは反対の意見に触れることが必要だと感じます。

皆様も、友人・知人とそれぞれの意見をぶつけ合う機会を設けて見てはいかがでしょうか?

評価

※個人的な評価となります。

総合評価:

「ディベートとは何か?」「どうやって行うのか?」「どのような能力が鍛えられるか」などをわかりやすく学べる良い本だと感じました。

ところどころにそれまでの内容を実践を通して確認する「稽古」という演習もついていますので、実践的なスキルを身に付けたいという人にもおすすめでです。

こんな人におすすめ

  • 「ディベートについて学びたい」という人
  • 「ディベートで勝てるようになりたい」という人
  • 「論理的思考力を身に付けたい」という人

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