第130回 山口周『外資系コンサルの知的生産術 プロだけが知る「99の心得」』

山口周『外資系コンサルの知的生産術 プロだけが知る「99の心得」』

皆様、こんにちは。本日は、山口周『外資系コンサルの知的生産術 プロだけが知る「99の心得」』(光文社)をご紹介したいと思います。

内容紹介

ほとんどの方が「本を読んだときは、なるほどそういうことか、と膝を打つ思いだったのに、実際の仕事となるとなかなかうまく活かせていないなあ」と感じているのではないでしょうか。中には、そういった状況を自分の思考力のなさや日常的な努力不足に起因していると考え、かえって自信を失ってしまった方もいらっしゃるかも知れません。しかし、心配することはありません。筆者にいわせればそれは当たり前のことで、そもそも「思考の技術」だけを高めても、知的生産性は向上しないのです

山口周『外資系コンサルの知的生産術 プロだけが知る「99の心得」』

最近では、よく「論理思考」「仮説思考」という言葉を聞くようになりました。書店に行けばそれらに関連する書籍がたくさん置かれれていることに気づきます。

みなさまの中にも、そういった「論理思考」や「仮説思考」の書籍を読まれた方もいるでしょう。

そこで、質問なのですが、それらに関する書籍を読んだことで仕事のクオリティは向上したでしょうか?

おそらく、目に見える形で向上していないのが現実でしょう。

かくいう私も、そのような書籍を何冊か読んできました。読んだその時は「なるほど」と思い、なんとなく自分がすごくなった気分になるのですが、現実はまったく変わっていません。やはり本を読むだけでは変われないのです。

思考法に関する本を読んでも知的生産性が向上しないのは、「行動の技術」が不足しているからだと筆者は述べています。

知的生産には、「目的に照らして情報を集め、集めた情報を分けたり組み合わせたりして示唆や洞察を導き出し、それをアウトプットしてビジュアルやレポート文書にまとめる」という一連のプロセスがあります。

この中で「論理思考」や「仮説思考」といった「思考の技術」はもちろん有効ですが、それはあくまで道具の一つでしかないというのです。

つまり、「思考に技術」は知的生産プロセスの一部でしかありません。とすれば、「思考の技術」だけを高めても知的生産性が向上しないのも納得です。

優れた学歴を持つ人が必ずしも優れた知的生産を行えるわけでないのも、このためだと言います。つまり、思考力がいくら優れていても、具体的な「動き方」を知らないために実社会では評価されないことがあるのです。

本書を通して、知的生産性を高めるためには具体的に「どう動けばいいのか?」について学んでいきます。

感想

本書では、知的生産性を高めるための具体的な「動き方」が計99個も紹介されていました。

中でも参考になったのは、「『行動』を提案する」という部分です。

「行動を提案する」というのは、分かりやすくいうと「ではどうするべきか?」という問いに対して解答を出すことです。

ビジネスの世界に限らず、知的考察は次の3つの段階に分かれると言います。その3つとは「事実」「洞察」「行動」です。

例えば、「大気中の二酸化炭素濃度が上昇しており、永久凍土が溶け始めている」という情報は「事実」です。そして、次にこの事実をもとに「地球が長期的な温暖化傾向にある」という「洞察」を示します。

さらに最後に、具体的に取るべき「行動」を示すのが、知的生産の一連のプロセスだと筆者は述べていました。

そして特にビジネスの世界では、「行動の提案」まで踏み込むことで初めて価値が生まれるのです。

「行動の提案」ができないといわゆる「評論家」になってしまいます。「評論家」という表現がいいニュアンスを持たないのは、知的生産という仕事を完結していないためです。

つまり、「事実」を調べ、そこから得られた「洞察」を偉そうに語るのみで、具体的な行動を示そうとはしません。


 

この「具体的な行動を示す」という心得は、コンサルに限らず、あらゆる人が身につけるべき行動様式だと感じました。

我々は意識せずにいるとすぐに「評論家」になってしまいます。

会議に出席するにしても、他人の意見の欠点を指摘するばかりで、具体的な代替案を示すことはほとんどないという人は意外と多いのではないでしょうか?

膨大な時間を割いて作り上げた報告書や資料に対し、「で、結局何が言いたいの?」と指摘されるのも、「事実」の列挙と月並みな「洞察」を述べるばかりで、具体的な「行動の提案」に踏み込めていないからかもしれません。

 

そうはいっても、「行動の提案」を知的生産において最も重要でありながら、最も難しい部分であるとも感じます。

今はやインターネットで調べれば、ある事柄に対する「事実」や、そこから得られる簡単な「洞察」はすぐに得られるでしょう。

しかし、最後の「行動の提案」においては、インターネットの情報をあまり有効ではないと感じます。やはり、自分の頭で考えるほかありません。文字どおり”生産”の段階です。

一朝一夕で身につく技術でないことは明らかでしょう。

本書を読んで、「評論家」にならないためにも、もっと自分の頭で考え、自分なりの意見を持つことが重要だと感じました。

そしてあわよくば、きちんと「行動の提案」ができる人間になっていきたいものです。

評価

※個人的な評価となります。

総合評価:

とても参考になる内容でした。

最近、「論理思考」や「仮説思考」に関する書籍が増えてきましたが、それらを読んでもあまり効果が見られないのが現実ではないでしょうか?おそらくそれは、具体的な行動について言及されていないからだと感じます。

その点本書は、具体的な行動を簡潔に示す内容になっており、すぐにでも実践できるものが多いです。コンサルに限らず、あらゆる業種の人におすすめしたい内容です。

こんな人におすすめ

  • 「『論理思考』や『仮説思考』の本を読んでも効果がなかった」という人
  • 「頭は切れるほうだが、なかなか会社から評価されない」という人
  • 「プロの知的生産術を学びたい」という人

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