第123回 米村歩・上原梓『完全残業ゼロのIT企業になったら何が起きたか』

米村歩・上原梓『完全残業ゼロのIT企業になったら何が起きたか』

皆様、こんにちは。本日は、米村歩・上原梓『完全残業ゼロのIT企業になったら何が起きたか』(プチ・レトル)をご紹介したいと思います。

内容紹介

 残業ゼロの結果として、従業員からは働きやすい会社だと喜んでもらえるようになりました。従業員の定着率は飛躍的に高まりました。優秀な人材が集まりやすくなりました。生産性が高まり売上・利益が伸びました。経営者として労働問題に頭を悩ますことがなくなりました。良い変化ばかりが起きています。

残業ゼロは決して絵に描いた餅ではありませんので、少しでもこの本を読んでいただいた方の参考になれば幸いです。

米村歩・上原梓『完全残業ゼロのIT企業になったら何が起きたか』

最近は従業員をまるで奴隷のように働かせる企業が増え、「ブッラク企業」「社畜」という言葉もかなり広まっています。

毎日終電、毎週休日出勤のように、もはや起きている時間は全て仕事をしていなければならないという状態の人もいるほどです。

そこまでではないにせよ、残業は当たり前で、多くの人が長時間労働を強いられているのが現状ではないでしょうか?

皆様が最後に定時で会社を去ったのはいつのことになりますか?


 

本書は、毎日終電、毎週休日出勤といった典型的な「ブラック企業」が、「残業ゼロ」の目標を掲げ奮闘していく様子と、「残業ゼロ」がもたらした様々なメリットを描いています。

「残業ゼロ」のために取った手段はいたってシンプルで、なんと「18時には強制的に帰らせる」というものです。一切の例外を認めず、当日締め切りの資料やメールも翌日謝罪して提出させるという徹底ぶりです。

そんなことをしたら会社としての信用を失い、生産性も下がるし売上・利益も下がるのではないかという疑問も湧いてきます。事実、多くの経営者が従業員に長時間労働を強いているのは、そうしなければ売上・利益を保てないと考えているからです。

しかし、実際はそれと全く逆のことが起こったと言います。「残業ゼロ」を徹底したことで従業員の満足度は増し、生産性は向上しました。それに伴って会社の利益は減るどころか大きく増加したのです。

本書を通して、「残業ゼロ」がもたらす様々なメリットを理解し、自分の労働環境の改善について考えます。

感想

先にも述べた通りですが、本書で紹介されていたIT企業「アクシオ」では、残業ゼロを目指すべく「18時には強制的に帰らせる」というルールを徹底しました。そこには一切の例外を認めません。

一見すると、従業員の作業量は格段に減り、それに伴って会社の利益も減るように思えますが、実際はその逆だったそうです。

というのも、かつては終電時刻の24時までに間に合えばいいという気持ちで作業していたのですが、急に残業が禁止となり、全ての作業を18時までに終わらせなければならなくなったのです。

そうすることで従業員たちは、より「時間の制約」を意識するようになったのです。限られた時間ですべての業務をこなすには、業務における一切の無駄を省き、効率的な処理をしていかなければなりません

そこであらゆる単純作業・ルーティンワークを自動化するシステムなどを開発し、様々な工夫を重ねて効率化を進めていったそうです。


 

以前に「パーキンソンの法則」という理論を目にしたことがあります。「仕事の量はそれを完成するのに与えられた時間を全て満たすまで膨張する」という理論です。

「最悪24時の終電に間に合えばいい」と考えてしまうと、その15時間ほどの労働時間が全て使い切れるように普段と同じ量の仕事をしてしまうのです。

一般に60点を80点にするのと、80点を100点にするのでは、同じ20点の増加でも後者の方が圧倒的に難しいとされています。

長い労働時間を与えられると、「まだ時間に余裕がある」という思いから100点を目指そうとしてしまいがちです。時間の余裕のせいで、生産性の悪い80点から100点の20点をも目指してしまうのです。

しかし、適切な時間の制約がないと生産性も上がらず、結局は80点にすら届かないということがしばしば起こる気がします。

こうして考えてみると、生産性の向上・効率的な作業に「時間の制約」が非常に重要であることがわかります。

我々が効率的に業務をこなせないのは、「仕事のための時間が足りないから」ではなく、以外にも「仕事のための時間が多すぎるから」なのかもしれません。

 

評価

※個人的な評価となります。

総合評価:

大変面白い内容でした。数ある業界の中でも、IT業界は残業が多いことで有名です。そんな中で、残業ゼロを実現させていく様子は非常に参考になるものでした。

仕事の見える化、対外のメールアドレスを会社全体で共有するなどなど具体的なテクニックも紹介されており、業種は違えど真似できる工夫は多そうです。

こんな人におすすめ

  • 「毎日残業で長時間労働に苦しめられている」という人
  • 「経営者として残業ゼロを目指したい」という人
  • 「仕事を効率化するノウハウを知りたい」という人

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