第121回 日野瑛太郎『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』

日野瑛太郎『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』

皆様、こんにちは。本日は、日野瑛太郎『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』(東洋経済新報社)をご紹介したいと思います。

日野瑛太郎『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』

内容紹介

この本では、「やりがい」のために働くことがいちばん大事で、そのためであれば他のものを犠牲にしても構わない、という従来の働き方とは別の選択肢を提示したいと考えています。

人間は別に仕事のためだけに生きているわけではありません。

結婚・出産・育児、趣味やボランティア活動など、仕事以外にも人生で重要なことは山ほどあります。

それこそ「やりがい」のある仕事につけなくても、こういった仕事以外の場面で自己実現をすることはいくらでも可能です。

日野瑛太郎『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』

皆様の会社でタイトルにもある「あ、『やりがい』とかいらないんで、残業代ください」という発言をしたらどうなるでしょうか?

おそらく周囲からは冷ややかな目で見られ、あなたの信頼は失墜することでしょう。

しかし、「やりがいよりもお金が欲しい」という発言は、無条件に悪と決めつけられるでしょうか?

「仕事はお金のためにやっている。仕事の時間はなるべく減らし、自分の時間を増やして、趣味に没頭したい。」という考えの人も必ずいるはずです。

しかし、今の日本には「仕事を最優先にすることが美徳」「会社に奉仕するのが尊敬されるべき姿」という考えが蔓延しています。よく考えれば、それは生き方に対する考えの一つに過ぎず、それを一人一人違った価値観をもつ人々全員に強要するのは不合理です。

つまり、「仕事は給料をもらうため」と割り切って、プライベートや家庭を優先する生き方も尊重されるべきだと筆者は語ります。

我々は小さい頃から

  • 「やりがいのある仕事につけたら、それで幸せ!」
  • 「つらくてもいいから、成長したい!」
  • 「給料をもらっている以上、プロ!」
  • 「言い訳は、悪!」
  • 「経営者目線を持って仕事をすべき!」
  • 「どれだけがんばったかが大事!」

などの価値観を押し付けられて育ってきました。一見もっともな主張に思えますが、これらの価値観こそがいわゆる「社畜」を作り出しているのだと筆者は述べています。

本書を通して、「やりがい」という呪縛から解放され、「社畜」から抜け出し、より自由に自分らしく生きる方法を学びます。

感想

最近では、奴隷のように働かされている会社員のことを指して「社畜」という言葉がよく使われるようになりました。

本書では、その言葉をもっと広い意味で、「社畜=会社と自分を切り離して考えることができない会社員」として説明していました。

つまり、「業務内容もいたって普通で、毎日定時に帰れる。さらに土日祝日は休み。」という状況であっても、「35年の住宅ローンでマイホームを買ったため、会社を辞めるわけにはいかない」という人も、ここで言えば「社畜」です。

そういった意味では、ほとんどの日本人は社畜だと言えるでしょう。というのも、この社畜も「一昔前までは」、別に悪い存在ではなかったのです。

かつて日本企業の多くが「終身雇用」「年功賃金」の制度を採用していました。つまり、会社に入社すれば、一生涯ある程度の収入を会社側が保証してくれたわけです。

会社に一生を保証してもらっている以上は、よほどのことがない限り会社を辞めるわけにはいきません。社畜になることを受け入れる代わりに、ある程度の収入が保証され、住宅ローンで家も買えるわけです。

こう考えると、社畜はそれはそれで幸せだったのです。

しかし、現代はというと、「終身雇用」と「年功賃金」の制度は次第に崩壊しており、社畜だけが残ってしまいました

日本は世界的にも珍しい「新卒一斉採用」を行なっているため、一度会社を辞めてしまうと、中途での働き口はなかなか見つけにくいです。そのため、「収入が保証されているわけでもが、会社を辞めるわけにはいかない」といったように、社畜という形だけが残りました


 

こうして見てみると、やはり「社畜」になって会社のために奉仕すれば幸せになれるという時代は終わったのだと感じます。

多くの人の仕事に対する思いは「やりたくないと思うが、それと同時に失うことを恐れている。」というなんとも虚しいものです。

我々の生活は会社側から一方的に侵食されてしまう一方で、なかなかそれを拒否することはできません。

もう一度、会社との関係を見直し、会社とそれなりに距離をとって働くことが必要なのだと感じました。

評価

※個人的な評価となります。

総合評価:

本書を読んで、「なるほど。確かにそうかもしれない。」と思うことが多かったです。それはつまり、私自身が日本における仕事絶対主義ような価値観に侵食されていたことを示します。

我々の多くは「仕事を最優先にすることが美徳」「会社に奉仕するのが尊敬されるべき姿」という価値観に侵食され過ぎて、たの選択肢を見失っているのかもしれません。会社で働くすべての人に、ぜひおすすめしたい一冊です。

こんな人におすすめ

  • 「『仕事を最優先にすることが美徳』という価値観に同意できない」という人
  • 「毎日会社で奴隷にように働かされている」という人
  • 「仕事にやりがいを見出せない」という人

人気ブログランキングに参加中です。

スポンサードリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です