第115回 泉谷閑示『「普通がいい」という病』

泉谷閑示『「普通がいい」という病』

皆様、こんにちは。本日は、泉谷閑示『「普通がいい」という病』(講談社現代新書)をご紹介したいと思います。

内容紹介

 人間社会の至るところで多数派の信奉する価値観によって、私たちは知らず知らず農地に一種の洗脳を施され、「自分で感じ、自分で考える」ということから遠ざけられてしまっています。たとえば、「あるがまま」の人間は邪悪なもので、「あるべき」姿に向けてしっかりコントロールすべきなのだといった考え方などは、そうしてすり込まれた価値観の代表格です。

泉谷閑示『「普通がいい」という病』「はじめに」より

我々現代人は、「こうあらねばならない」というプレッシャーを常に感じながら生きています。実際は、「こうあらねばならない」というプレッシャーを感じ、どこか窮屈な感じを覚えているならまだ良い方で、いつしかその窮屈さも忘れてしまいます

そうすると、「普通であることが良い」「皆と同じであることが良い」という思考停止の状況に陥り、「自分で感じ、自分で考える」という生き方ができなくなるのです。

こうした状況で、一部の人が疑問をその状況に感じ、自分らしく生きようとしても、周囲の人々から「あいつは変わり者だ」「自分たちが正しいはずで、あいつは間違っている」という評価を受けるのが普通です。そうなれば、孤立無援な中で行き詰まり、強い自己否定の末、心身の不調が起こります。

よく言われることではありますが、我々日本人は特に「普通であることが良い」「皆と同じであることが良い」という感覚を持っています。

しかし、よく考えてみれば、人間は誰しも唯一無二の存在です。異なる個性や価値観を持つ人間同士が、しかも大勢で、同じ道を歩むこと自体が異常なはずです。

本書では、「こうあらねばならない」というプレッシャーから解放され、もっと楽に、自分らしく生きる術を学びます。

感想

自由というものは、何の指針もなければ、その小径が正しいのかと問われても答えようがないもので、自分の判断以外にあてにできるものはない。マニュアルもなければ他人との比較もできない自然霊すらない。これが自由ということの大変さなのです。そして多くの人は、このリスクが怖くてしょうがない、それに比べて、大通りは不自由だけれど安全。これが、人々を大通りに強くひきつけている最大の理由であるということなのです。

泉谷閑示『「普通がいい」という病』「第9講 小径を行く〜マイノリティを生きる〜」

上記の引用文にもある通り、「自由に自分らしく生きる」というのは、正しさを確認する方法もなく、参考にすべき前例もないため、ある意味で大変なことなのかもしれません。

そのため、ほとんどの人は、大勢の人が通る大通りを選ぶのです。

しかし、人間は一人一人ユニークな存在です。1万人の人がいれば、1万通りの道があるのが自然なはずです。にもかかわらず、多くの人が同じ道を通るというのは、とても不自然だと筆者は述べています。

大通りを行く人々は、無意識のうちにその不自然さや窮屈感を感じているため、どうにかしてそれらを打ち消さなくてはなりません。そのために、「自分たちは正しい。あいつは変わり者だ」というように、徒党を組んで、少数派の人間を批判するのです。

以前、「行動を起こせば批判されるということは、批判されない人生は、何も行動していないということだ」という言葉を目にしたことがあります。

大通りを通る人というのは、他人を批判することはあっても、批判されることはありません。とすれば、彼らは自分で考え、自分で行動することをしていないと言えます。

逆に、多数派の人間から批判される少数派の人間は、批判されるつらさや頼るべき仲間が少ない心細さを感じながらも、確実に自分の意思で行動し、自由に生きていると言えるでしょう。

そう考えれば、皆と違う・皆から批判されるということが裏を返せば、「自由である」ということなのかもしれません。

「自由になりたい」と願う人は多いですが、「普通でいたくない、異常でありたい」という願う人はそう多くはないでしょう。

しかし、自由になるには、どうやら”普通”にならないことが必要なようです。

 

評価

※個人的な評価となります。

総合評価:

我々日本人は特に「普通でありたい」「皆と一緒がいい」という感覚が強いです。そのため、少しでも”普通”の道から足を踏み外すと、途端に強い自己否定に陥り心身の不調を起こします。

本書を読んで、皆と一緒であることが実際にはどれほど不自然なことかを知り、自分らしく生きる大切さを学びました。難点を挙げるとすれば、引用文が多めなので、やや読みにくい印象を受けたことです。

こんな人におすすめ

  • 「”普通”、”皆と一緒”になれずに悩んでいる」という人
  • 「自分らしく自由に生きたい」という人

人気ブログランキングに参加中です。

スポンサードリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です