第110回 駒崎弘樹『「社会を変える」を仕事にする 社会起業家という生き方』

駒崎弘樹『「社会を変える」を仕事にする 社会起業家という生き方』

皆様、こんにちは。本日は、駒崎弘樹『「社会を変える」を仕事にする 社会起業家という生き方』(英治出版)をご紹介したいと思います。

内容紹介

 幸運なのか不幸なのか、日本はこれからアメリカのような「小さな政府」になり、国や行政は、国民の何もかもをケアすることを放棄せざるをえなくなる。社会保険庁と年金問題を見ても、行政の能力が限界に達していることは明白だ。

だとしたら、民間において、NPOやソーシャルベンチャーが、国や行政が見放した、あるいは手が出せないような領域をカバーしていなかなくては、問題は放棄され続けてしまう。

僕たちが一人ひとりがsy回企業家となって、そうしたソーシャルベンチャーを立ち上げ、羽ばたかせていかなくてはならない。

駒崎弘樹『「社会を変える」を仕事にする 社会起業家という生き方』

本書は、筆者の駒崎氏が、「病児保育」の事業を立ち上げ、成功を収めるまでの軌跡が描かれています。

今の日本社会では、育児と仕事の両立は非常に難しくなっています。特に女性の場合ですが、子供が熱を出し、看病しなければならなくなった時、会社を休んでしまったらクビになったということまであるのです。

「子供が熱を出したから、看病をする」。そんな当たり前のことをしているだけなのに、会社をクビにされてしまう世の中はおかしい。

筆者の駒崎氏は、そのように思い「病児保育」の事業を立ち上げようと決心するのです。

この問題は、「熱を出した子供を保育所で看てくれない」「そもそも全国的に保育所の数が足りていない」などの行政上の問題から発生していると筆者は語ります。

そしてこれは、保育の分野に限った話ではなく、少子高齢化の進む日本社会では、医療・福祉を中心とした行政問題が山積みとなり、もはや政府の問題解決能力の限界を超えているのです。

そうした中で、求められる人材が「社会起業家」だと筆者は述べています。

「社会起業家」とは、タイトルにもある通り「社会を変える」を仕事にする人のことです。

今や、「社会を変える」という行為は、政治家や官僚だけが担うべきものではありません。「気づいた人」が事業を立ち上げ、問題を解決すべきです。

そして逆に言えば、個人が社会問題も解決することも可能な時代なのです。

本書では、社会起業家として、どのように事業を始め、発展させていけば良いのかを学びます。

感想

「NPO」や「ソーシャルベンチャー」などという言葉は、今の自分には縁遠い存在だったので、個人的に、本書の内容は非常に学びの多いものでした。

まず、「NPO」というのは「非営利組織」と訳されるぐらいですから、本当に利益を求めないボランティア活動の一環のようなものだと思っていました。

しかし、その認識は大きな誤りで、実際、NPOもその活動から利益を得ているそうです。これはよく考えれば当たり前で、利益がなければ、事業を継続できません。

さらに驚きだったのが、NPOにもきちんとCEOが存在し、市場調査や広報を行うマーケティング担当者がいるということです。

そもそもマーケティングというのは、限られた経営資源を使って、そこから得られる効果を最大化することです。だとすれば、国からの助成金は大幅にカットされ、銀行や株主からの出資も少ないNPOは、よりマーケティングに力を入れるべきだというのです。

こうしてみると、NPOというのは、単なる慈善事業・ボランティアというわけではなく、まさに「『社会を変える』を仕事にした組織」だということが分かりました。

 

冒頭にも書きましたが、今の日本には、解決すべき社会問題が多く存在しています。しかし、それらはすべて政治家や官僚に任せ、不平不満だけを語る姿勢は良くありません

筆者の駒崎氏は、解決すべき社会問題に気づき、それを解決しようと強く決心すれば、個人でも問題を解決できることを示してくれました。

やはり、我々一人ひとりが、解決すべき社会問題にきちんと向き合うべきなのでしょうか。

最近では、「人のため、社会のためになる仕事がしたい」「社会をより良くしていきたい」という思いを持つ人が増えていると感じます。

まさにそのような「『社会を変える』を仕事にしたい」という方におすすめします。

 

評価

※個人的な評価となります。

総合評価:

「NPO」や「ソーシャルベンチャー」という言葉は、聞いたことがある程度で、その実態はよくわかっていませんでした。本書では、それらについて一通り学ぶことができ、読んで良かったと感じています。

また、内容は非常に勉強になるもでありながら、読みやすく、わかりやすい文章で書かれているのですぐに読み切ることができました。この点も高評価です。

こんな人におすすめ

  • 「『社会を変える』を仕事にしたい」という人
  • 「NPOやボランティアに興味がある」という人

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