第106回 築山節『フリーズする脳 思考が止まる、言葉に詰まる』

築山節『フリーズする脳 思考が止まる、言葉に詰まる』

皆様、こんにちは。本日は、築山節『フリーズする脳 思考が止まる、言葉に詰まる』(NHK出版)をご紹介したいと思います。

内容紹介

私たちに脳では、130億個とも言われる神経細胞が、想像を絶する複雑さで回路を張り巡らせ、人間らしい高度で多種多様な活動を司っています。しかし、その機能は何もしなくても維持していられるわけではありません。骨と筋肉と同じように、脳も使わなければ衰えます。もともと脳は、神経細胞1つ1つに意味が割るわけではなく、それが集団化してつくるネットワークに本質があるのですが、そのネットワークは使わなければ衰退し、無意味な細胞の集まりに戻ってしまう。簡単に言えば、その結果として起こってくるさまざまな障害 ー 記憶、思考、感情、注意、認識などの能力の著しい低下が「ボケ状」です。

築山節『フリーズする脳 思考が止まる、言葉に詰まる』「はじめに」より

皆様は、普段の生活で、「あれ?今をしようとしていたんだっけ?」「今何を言おうとしていたか忘れてしまった」などという瞬間を経験することはないでしょうか?

このように、脳が急に機能を停止させてしまう状態を、本書では「フリーズ」と表現していました。ちょうど、パソコンが急に機能を停止させ、操作不能に陥る状態と同じです。

「脳がフリーズするなら、脳に異常がある」というわけではないようですが、その頻度があまりにも多いのは問題なようです。

上の引用文にもありますが、脳は使わなければ、その機能は衰えてしまいます。

現代人の生活は、一見頭を使っているように見えますが、実際はそうではないと筆者は語ります。単一的な作業の繰り返しでは、その作業になれることで、徐々に脳の負担は減り、結果的に脳は衰えてしまうのです。

一日中パソコンに向かって仕事をする、一日中ヘッドフォンをつけて生活している、コミュニケーションは全てメールやLINEで行う、あらゆる知識はネットで調べて済ませる…などなど、思い当たることはないでしょうか?

また、特に若い人なら、「脳の機能が衰える」「ボケてくる」などと聞くと、自分には関係のない高齢者の問題だと認識してしまいがちです。

しかし、脳機能の衰退は加齢によってもたらされるというよりも、環境によって大きく影響を受けるのだと筆者は述べています。

本書を通して、自分の脳を取り巻く環境について考え、その改善の方法を学びます。

感想

本書では、さまざまな事例とともに、脳を取り巻く環境について考えています。その中でも、私には特に当てはまり、現代人の多くに当てはまるだろうと感じたのが「ネット依存」の方の事例です。

どうやら、インターネットを使うようになると記憶力が低下することがあるようです。

まず、インターネットの普及によって、我々が「知っている」と認識するレベルが変化したと筆者は述べていました。インターネットを使えば、「大して興味はないけれど、とりあえず知っている」程度の知識が増加します。

もちろん、この程度の理解では、他人に説明することはおろか、後で思い出すことも難しくなるでしょう。

また、多くの人が、何かを「思いだす」という行為の代わりに、ネットでの「検索」を行ってしまっているのも問題です。

記憶とは、「思いだす」という苦労を通して、より強固なものになっていくのですが、ネットによってこの苦労は取り除かれてしまいました

さらに、最近の検索エンジンは非常に優秀なため、キーワードとの関連度が高く、質の高いページを上位に表示してくれます。このように、はじめから整理された情報に触れると、自分にとって有意義な情報はどれかを選ぶ機会が奪われ、それらの情報は記憶しにくいものになってしまうそうです。

我々はインターネットから多くの情報得ていますが、どうやらそれらの情報は忘れやすいようです。

「忘れやすかったとしても、すぐに検索できるのだからいいじゃないか」という反論もきっとあるのですが、それは大きな間違いだと筆者は語っていました。

例えるなら、計算ができない人間が、高性能な計算機を使えるからといって、難解な数学の問題を解けるわけではありません。それと同じように、知識のない人間が、ネットで調べれば分かるからといって、クリエイティブな発想ができるわけではありません

インターネットは非常に便利ですが、その使い方をもう一度考え直す必要があると感じました。

特に自分が本当に興味を持っている・真剣に学びたい分野に関しては、はじめから綺麗に整理されたネットの情報に頼るのではなく、さまざまな形で、自分で情報を集め、苦労しながら学習していくことも大切なのだと感じました。

評価

※個人的な評価となります。

総合評価:

はじめてタイトルを見たときは、自分には関係なく、もっと高齢の人向けに書かれた書籍なのだと思っていました。しかし、脳機能の衰退は、加齢よりも環境に大きく影響を受けることを知り、意外と身近な問題なのだと感じました。

確かに、「あれ?今をしようとしていたんだっけ?」「今何を言おうとしていたか忘れてしまった」と感じる場面は多いです。自分の脳を取り巻く環境についてきちんと考えなければならないことを学びました。

 

こんな人におすすめ

  • 「あれ?今何を言おうとしていたんだっけ?」と感じることが多い人
  • 「最近、記憶力の低下を感じるようになってきた」という人
  • 「基本的に毎日同じ作業の繰り返しだ」という人

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