第105回 泉谷閑示『仕事なんか生きがいにするな 生きる意味を再び考える』

泉谷閑示『仕事なんか生きがいにするな 生きる意味を再び考える』

皆様、こんにちは。本日は、泉谷閑示『仕事なんか生きがいにするな 生きる意味を再び考える』(幻冬舎新書)をご紹介したいと思います。

内容紹介

人間は、生きることに「意味」を感じられないと、生きていけなくなってしまうという特異な性質を持つ、唯一の動物です

(中略)

私たちは今日、少なくとも物質面や衛生面において、そしてなにより情報化という側面において、様々な欠乏や不具合を解消し、かなり便利で安全な生活を手に入れました。しかし、その一方で、この一件豊かになった現代において、「生きる意味」が感じられないと苦悩する人々が、急激に増えてきています。

 

泉谷閑示『仕事なんか生きがいにするな 生きる意味を再び考える』「はじめに」より

最近では、特に若い世代を中心に「自分が何をしたいのかわからない」という「存在意義」や「生きる意味」を問うような悩みを持つ人が急増しています。

物質面や衛生面で様々な欠乏や不具合を解決してきた我々は、もはや「空腹だらか食糧を求める」「危険だから安全なところに逃げ込む」と言った、本能的なモチベーションで動くことはなくなりました。

絶対的な欠乏の状態にあれば、「自分が何をしたいのかわからない」などという問いは生まれなかったはずですが、現代は明らかにそうした状況にはありません。

また、長い歴史の中で、我々が「自由」を手にしたのも、そうした悩みの原因かもしれません。

生まれながらに身分も職業も決まるのであれば、「自分が何をしたいのか?」という問いはおそらくないでしょう。しかし、現代を生きる我々は、自由だからこそ、「好きなことをやってください」と言われると、「何をすれば良いのか?」と悩んでしまうのです。

人間の本能的なモチベーションだけでは進むことができなった現代では、我々は新たなモチベーションを手にする必要があります。

つまり、どのような価値観を持ち、何を指針に生きていくのかという「人間ならではのモチベーション」が求められるようになったのです。

本書を通して、我々が「生きる意味」というのを、もう一度真剣に考えることができます。

感想

「生きる意味」を考える前に、本書では、「意味」と「意義」、それぞれの意味の違いを明確に示している部分がありました。

まず、「意義」という言葉は、「価値を生み出す行為」と密接に関係していると筆者は語ります。「時間を有意義に使いましょう」などの表現には、「時間を無駄にすることなく、何らかの価値形成のために時間を使いましょう」というニュアンスが含まれています。

ここでいう「価値」とは、「お金になる」「知識が増える」「スキルが身につく」と言った、何かの役に立つようなことを指します。

一方で、「意味」とは「価値」の形成を必ずしも伴うわけではありません。「意味がある」というのはひたすらに主観的な感覚で、自分が満足していればそれでいいのです。

現代人の多くは、「生きる意味」を考えようとするとき、どうしても「生きる意義」について考えてしまいがちだと筆者は述べています。つまり、「これをやったらいいことがあるか」「やる価値があるのか」という、価値の有無をひたすらに考えてしまいがちなのです。

このような現代人の状況を筆者は次のように表現していました。

常に「価値」を生むことを求められてきた私たちは、「有意義」という呪縛の中でもがき続けていて、大切な「意味」を感じるような生き方を想像する余裕すらない状態に陥ってしまっているのです。

泉谷閑示『仕事なんか生きがいにするな 生きる意味を再び考える』

確かに我々は、何をやるにしても「これはやる価値があるのか?」「これをやると何かいいことがあるか?」、もっと俗な言い方をすると「これは金になるか?」ということあまりにも強く意識している気がします。

「興味、好奇心が赴くままに行動する」という機会はほとんどありません

本書でも、「生きる意味」を感じられる方法として、「遊ぶ」ことが挙げられていました。興味、好奇心の赴くままに何でもやってみるのです。

我々は、幼い頃から「三日坊主にならないように」「継続は力なり」などということを言われ続けて育ちました。そのためか、一度始めたら、やる気がなくても、辛くても続けなければならないという認識をしてしまいがちです。

しかし、それは所詮「遊び」なのです。つまらなくなったらやめて、また新しい「遊び」を見つければいいだけです。

興味が湧いたことは何でも「遊び」の感覚でやってみれば、きっと「楽しい」と思うことができ、「生きる意味」も感じられるのではないかと思いました。

評価

※個人的な評価となります。

総合評価:

非常におすすめです。数々の哲学者や思想家の言葉を引用しているのですが、筆者がそれをわかりやすく解説しているので、割と読みやすいと感じました。

「生きる意味」、さらには「働く意味」について考えてみたい人にはぜひおすすめします。

 

こんな人におすすめ

  • 「自分が何をしたいのかわからない」と悩んでいる人
  • 「働く意味とはなんのか?」と悩んでいる人
  • 「自分らしく生きたい」と思っている人

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