第81回 ハイディ・グラント・ハルバーソン『やってのける 意志力を使わずに自分を動かす』

ハイディ・グラント・ハルバーソン『やってのける 意志力を使わずに自分を動かす』

皆様、こんにちは。本日は、ハイディ・グラント・ハルバーソン著・児島修訳『やってのける 意志力を使わずに自分を動かす』(大和書房)をご紹介したいと思います。

内容紹介

わたしはもともと、絶対的な確信がない限り何かを明言しないタイプです。

(中略)

そのわたしが、完全な自身を持って明言できることがあります。

わたしは、読者であるあなた個人のことを知りません。

それでも、100パーセント断言できます。

「目標を達成する能力は、誰でも必ず伸ばすことができる」、と。

 

ハイディ・グラント・ハルバーソン『やってのける 意志力を使わずに自分を動かす』

我々は皆、大なり小なり目標を抱えながら生活をしています。仕事、健康、人間関係、経済的安定などさまざまな目標を持っているはずです。

しかし、それらの目標が必ずしも実現するかというとそうではありません。否、むしろ実現しないことの方が多いでしょう。

世に成功者といわれる人々はみるみるうちに目標を実現させていくのに、自分だけはどうして目標を達成できないのか?

生まれ持った能力の違い、チャンスが巡ってくる運の差、努力を続けられる意志力の違い、などなど思い当たることは多々あるでしょう。

しかし、長年目標達成と動機付けについて研究をしてきた筆者は、我々の常識を覆すような主張をします。それは、

「目標を達成できるかどうかは、生まれつきの資源のみでは説明できない」ということと、

「目標を達成する能力は、誰でも高められる」ということです。

目標達成や動機付けについて述べた本は世の中に溢れるほど存在しています。書店に行けば、その類のビジネス書や自己啓発本はよく目にするでしょう。

しかし、その多くは「ポジティブ思考で生きる」「成功をイメージする」などといった精神論を語るものが多いです。そして、多くの人はそれほど変われません

本書では、科学的根拠に基づいて目標達成と動機付けについて学び、多くの自己啓発本では語れてこなかった目標達成の本質を学びます

感想

目標達成や動機付けに関するこの類の書籍では、ほぼ間違いなく「ポジティブ思考」について取り上げています。「ポジティブ思考で生きることが、目標達成には重要だ」のような趣旨の表現は、あなたも目にしたことがあるでしょう。

しかし、本書の主張は「目標達成のためには、ポジティブ思考が有効な”ときもある”」です。

つまり、ポジティブ思考が目標達成にとって常に良い影響を与えるかというとそうではないようです。場合によっては、モチベーションを下げ、目標達成を遠ざけてしまうこともあります。

本書の例をを少し引用します。

①「わたしは減量を成功させることができる。目標とする体重まで痩せられるはずだ。」

②「ドーナツやポテトチップスの誘惑には負けない。運動も、何の支障もなく毎日続けられるはずだ」

「痩せる」という目標に対して、ポジティブな考え方をしていることは共通していますが、両者は決定的に違うそうです。また、世の自己啓発本の多くは、この2つを区別できずに「ポジティブ思考が重要だ」と無責任な主張をしていると筆者は語ります。

 

まず、①についてですが、これは「目標を達成できる可能性」に対するポジティブ思考です。この場合、「成功できるはずだ」と信じることは、モチベーションを高め、目標達成の可能性を高めます。

つまり「成功できる」と信じるポジティブ思考は科学的にも効果があるそうです、これについては、多くの自己啓発本や同種のセミナーなどで語られる通りです。

対して②の場合ですが、これは「簡単に目標を達成できる」と考えるポジティブ思考です。

成功を手にする人の多くは、成功を確信しながらも、それに至るまでには厳しい道のりを乗り越えなければならないと覚悟を決めます。困難を乗り越えなければという覚悟は不安を生み、その不安こそが、モチベーションにつながるのです。

しかし、「簡単に成功できる」という非現実的な楽観視とも言えるポジティブ思考からは、困難を乗り越えなければという不安は生まれません。よって、この場合のポジティブ思考は、むしろ目標達成を遠ざけてしまっているのです。

 

このように一言「ポジティブ思考」と言ってもその影響がさまざまであることを学びました。ポジティブ思考の影響は、上の例のように目標の捉え方でも変化しますが、個々人の性格によってもまた変化するようです。

「目標達成にはポジティブ思考が必要だ」という考えを疑いもなく、その通りだと受け入れていましたが、どうやら注意が必要なようです。

 

評価

※個人的な評価となります。

総合評価:

巷にあふれる数々の自己啓発本は、精神論に頼った強引な主張をすることも少なくありません。しかし、本書は主に心理学の観点から、科学的根拠に基づく主張が多くなされています。目標達成に必要な考え方や、目標達成には欠かせない計画の立て方まで非常に多くを学べる本でした。ぜひ、おすすめします。

 

こんな人におすすめ

  • 「目標を実現させたい」という人
  • 「目標達成に何度も失敗してきた」という人
  • 「精神論に頼らない目標達成・動機付けについて学びたい」という人

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