第80回 松尾豊『人工知能は人間を超えるか』

松尾豊『人工知能は人間を超えるか』

皆様、こんにちは。本日は、松尾豊『人工知能は人間を超えるか』(KADOKAWA)をご紹介したいと思います。

内容紹介

最近「AI」やそれに関連する言葉は聞く機会は多くなりました。

将棋やチェス、オセロさらにはクイズ番組などで人工知能と人間の戦いがよく取り上げられるようになったのことは皆様も実感できることでしょう。最近では、将棋界で人工知能が佐藤天彦名人に勝利して、コンピュータが現役の名人に勝利したことが話題になりました。

このように、現在はAIの一種の”ブーム”が到来している時代です。AIのブームは過去にも何度かあったそうですが、そのたびに大きな困難に直面し、人工知能を完成させる夢は先延ばしされてきました。

しかし、現代は、かつてAIが直面してきた難題を解決するための大きな技術革新がなされた時代なのだそうです。

つまり、「ディープラーニング」の登場によって、今後、人工知能の開発は急速に進んでいくだろうと筆者は主張しています。

 

「ディープラーニング」という言葉自体は、テレビや新聞、ネット記事などで見聞きしたことがある人は多いと思います。

しかし、その実態を理解している人はかなり少数派なはずです。

本書では、これまでのAIの歴史とその都度抱えてきた問題を説明し、その難題を解決し得る「ディープラーニング」について詳しく説明しています。また、「ディープラーンング」の発達によって、今後世界がどのように変化するかを、人工知能のエキスパートである筆者独自の目線で解説している部分も大変興味深いです。

「AI」「ディープラーニング」と日常生活ではあまり使わない難しい単語が多いですが、まったくの素人にも分かるように、大変理解しやすい説明がなされています。

「AI」さらには「ディープラーニング」について学びたいという人はもちろん、人工知能の発達で今後の世界がどう変わるか知りたいというひとにぜひおすすめします。

 

感想

本書の表現を借りて、AIを端的に説明すると「入力に応じて適切な出力を行うプログラム」とまとめることができます。

入力されたデータを、あらゆる面から分析し、どのパターンに近いのかを決定していくのですが、何を分析すればもっとも特徴を捉えられるかをコンピュータ自身が見つけることが大変難しいようです。かつてのAIが直面した問題とい言うのはまさにこれだと述べられていました。

これも本書での例を借りて説明すると、ある人の年収を予測する問題を考えるとします。ある人に関する「性別」や「年齢」「居住地域」「身長」…などなどあらゆるデータが入力されるのですが、年収という特徴を捉えるために有意義なデータは自然と限られるはずです。

「年齢」「性別」「居住地域」などは年収に関係がありそうですが、「身長」「体重」「好きな色」などは明らかに関係がなさそうです。

(ちなみに、「性別」や「年齢」「居住地域」などの変数のことを、本書では「特徴量」と呼んでいました。)

このようにわれわれ人間は、どのデータを分析すればもっとも特徴を捉えやすいかを、これまでのさまざまな経験から容易に予測することができます

しかし、コンピュータが自ら最適な「特徴量」を捉えることは容易ではないようです。

そのため、今まではどの「特徴量」を選ぶかという問題は、結局人間が考えるしかありませんでした。人間が適切なデータを選び出し、コンピュータに計算を任せるといった具合です。

なんだか、我々素人が思い描いていた「人工知能」とは程遠い気がします。

 

しかし、現代においてその状況を大き覆したのが「ディープラーニング」です。

「ディープラーニング」は、データをもとに自分で特徴量を作り出すため、人間が特徴量を設定する必要はありません

このディプラーニングを筆者は「人工知能研究における50年来のブレイクスルー」と表現していました。

ディープラーニングの登場によって、人工知能が人間の手を借りずに自ら学び、果ては人間を超える時代が来るかもしれません。

さらには、人工知能自身が自らを上回る人工知能を作れるようになれば、その操作の繰り返しで、人間をはるかに超える「何か」ができるかもしれないのです。

ちなみに1.1の1000乗は途方もない数で、およそ10の41乗だそうです。

つまり、自分自身をわずかに超える性能の人工知能を生み出せるようになった瞬間から、我々には想像もできない世界が訪れるのです。

この掛け合わせる数が1.0をわずかにでも上回ることを「特異点」「シンギュラリティ」などと呼ぶそうです。

 

人工知能の発達には期待も不安も両方あるでしょう。皆様は、人工知能についてどうお考えでしょうか?

 

評価

※個人的な評価となります。

総合評価:

最近、個人的に人工知能に興味を抱いて、いろいろ学びたいと思っていたのですが、本書を読んで本当に良かったと感じています。「AI」「ディープラーニング」と聞くと、小難しい印象を受け多くの人が敬遠してしまいがちですが、本書はそれらの内容を本当にわかりやすく解説していました。人工知能の入門書としては非常に優れているのではないかと感じます。

 

こんな人におすすめ

  • 「人工知能について学びたい」という人
  • 「ディープラーニングについて学びたい」という人
  • 「人工知能の発達で世界はどう変わるの?」と思っている人

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