第79回 アダム・グラント『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』

アダム・グラント『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』

皆様、こんにちは。本日は、アダム・グラント『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』(三笠書房)をご紹介したいと思います。

内容紹介

本書は、「本性」としてリスクを回避しようとする「ふつうの人々」が(ふつうの人だからこそ)、流れに逆らう不安や恐怖をはねのけて、「オリジナルな何か」を実現させるためのさまざまなヒントを数多く含んでいる。

アダム・グラント『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』

「オリジナルな何か」とは人によってさまざまですが、身近な例で言うと、起業や独立などでしょう。

「与えられら仕事をこなすだけの日々はうんざりで、自分で事業を立ち上げたい」「会社から独立して活動したい」など。さらには、「いつかはサラリーマンをやめて作家として活動したい」「ミュージシャンとして音楽の道で食べていきたい」なども良い例でしょう。

ふつうの考え方からすれば、このような目標を叶えるには、「サラリーマンを辞め、一念発起して起業に乗り出す」「大学を退学し、執筆の活動に専念する」といったように、大きなリスクをとって、その代償として大きな見返りもあると考えます。

しかし、本書ではその考えを真っ向から否定するのです。

世に名を馳せた企業家・実業家たちが必ずしもリスク愛好的かというと、そうではありません。いや、むしろリスクをできるだけ回避しようとする傾向が強いのです。

そのような実業家たちは、ある分野でリスクを取ろうとするなら、別の分野では慎重に行動し全体的なリスクを弱めようとするのです。

つまり、サラリーマンの起業の例で言えば、起業という大きなリスクを取るなら、サラリーマンとしての仕事を続けてこそリスクを最小化でき、結局は成功の確率は上がります

つまり、「ふつうに」生活している人ほど、オリジナリティを発揮する場合にリスクを最小化しやすく、結果的に「オリジナルな何か」を実現しやすくなるのです。

他人の声に出して伝えずとも、「『オリジナルな何か』を実現させたい」と内心思っている人は多いはずです。しかし、多くの人は「自分には特別な才能もないし…」「今更リスクを犯せない…」と考えてしまうのもまた事実です。

しかし、筆者が言うには、現代は「ふつうの人」であるからこそ「オリジナルな何か」を実現させられる時代です。

われわれ「ふつうの人」が、オリジナリティを発揮する術を学びます。

感想

「明後日にできることを、明日に回してはいけない」

マーク・トウェイン(作家)

いきなり奇妙な言葉を引用しました。これに似た表現は見聞きしことがあると思いますが、おそらくその意味は全く逆でしょう。

「今日できることを、明日に回してはいけない」

という言葉は大変有名です。先延ばし癖という人間の怠惰な一面を戒めた言葉で、多くの場面で見聞きするはずです。

しかし、本書で引用していた言葉はその全く逆です。これは、「賢者は時を待ち、愚者は先を急ぐ」という見出しが付いた章で紹介されていました。

一般に、オリジナルな何かを成し遂げる場合、先駆者となるのがあらゆる面で圧倒的に優位だと考えられています。

しかし、実際には、先発者となることは、利点よりも不利点の方が多いというのです。

これは従来の考えとは正反対で、にわかには信じがたいでしょうが、筆者が語る、「オリジナル」の本質を考えると、なんとなく理解できました。

オリジナルであるには、先発者である必要はない。オリジナルであるというのは、他とは異なる、他よりも優れているという意味である。

アダム・グラント『ORIGINALS 誰もが「人と違うこと」ができる時代』

家庭用テレビゲーム機の分野では、先発者の「マグナボックス」が「オデッセイ」というゲーム機を販売しました。

しかし、ほどなくして日本企業の「任天堂」が「オデッセイ」の国内販売権を獲得し、その後にあの「ファミリーコンピュータ」を製作して圧倒的なシェアを獲得したのです。

後発者はなにかと「人まね」「パクリ」の汚名をつけられやすいですが、それは先発者よりも劣ったものしか提供できていなく、文字通りの「まね」で終わっているからなのでしょう。

先発者の失敗から多くを学び、より良いものを提供できる利点を考えれば、たしかに「明後日にできることを、明日に回してはいけない」という言葉も納得できます。

「オリジナル」と聞くと、誰よりも早くトレンドを察知し、いちはやく反応すれば良いと考えられがちですが、「時が熟すのを待つ」というのも大切だと気付かされました。

評価

※個人的な評価となります。

総合評価:

大変おすすめです。「オリジナリティを発揮する」ということに対する理解を大きく覆されました。「オリジナルな何か」を実現させるような人々は好んでリスクを取っていくのかと思っていましたが、実はそうではなかったようです。彼らは「リスクを回避することの”達人”」であるということを知りました。

他にも、オリジナルなアイデアの生み出し方、アイデアの選択の仕方、成長する組織の作り方などなど非常に学びの多い本でした。

 

こんな人におすすめ

  • 「起業・独立をしたい」という人
  • 「リスクを最小化して『オリジナルな何か』をしたい」という人
  • 「オリジナルな考え方を身に付けたい」という人

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