第71回 小林雅一『AIの衝撃 人工知能は人類の敵か』

小林雅一『AIの衝撃 人工知能は人類の敵か』

皆様、こんにちは。本日は、第71回 小林雅一『AIの衝撃 人工知能は人類の敵か』(講談社現代新書)をご紹介したいと思います。

内容紹介

「AI」に対して皆様はどのようなイメージをお持ちでしょうか?

一昔前に「アシモ」という人型ロボットが話題になりました。しかし、人型といっても、その動きはぎこちなく、とても人間と同じような動きをするとは言えませんでした。会話に関しても、普通の日常会話が成り立つとは到底言えません。

しかし、どうやらこれも過去の話で、昨今のAIは我々の想像をはるかに超えるスピードで進歩しているというのです。

各自動車メーカーやIT企業がこぞって開発に取り組んでいる「自動運転」の技術の完成は、どうやらそれほど遠い未来ではなさそうです。翻訳機能や同時通訳の技術に関しても同様のことが言えるでしょう。

さらに、つい先日ですが、第2期電王戦で将棋ソフトPonanzaが佐藤天彦名人に勝利するという快挙を達成しました。プロの中でもトップレベルと言える現役の名人に勝利したのですから、歴史的な快挙と言えるでしょう。

このように現在のAIは驚くほどの速度で発達し続けています。しかし、手放しに喜べない部分もあるでしょう。

これも最近ではよく言われますが、「AIの発達によって、将来なくなる職業ランキング」などという記事やニュースを見たことがある人は多いはずです。

AIは本当に我々の雇用を奪ってしまうのでしょうか?

さらに、我々の先祖は生活を豊かに便利にすべくさまざまなものを発明してきました。人間の移動速度の限界を超える、蒸気機関や自動車などはその良い例ですが、人間の限界をはるかに超えるスピードを出せたとしても、人間にはそれを制御する「知能」という最後の砦が、絶対的な自信として存在していました

しかし、今AIはその「知能」すらも我々と取って代わろうとしているのです。

こうなった時、我々人間の存在価値というのは何になるのでしょうか?

これらの問いに対する答えを含め、AIの仕組みや歴史、現在の姿、さらには今後の展望までを、一般人にもわかりやすく説明しています。

 

感想

私はAIに関して特別な知識を持っているわけでもないので、AIの仕組みや歴史については、正直言ってあまり興味もありません。

しかし、そんな私でも気になるのはやはり「AIは我々から雇用を奪うか?」という話題です。

これに関して、アメリカのIT企業の経営者たちが次のようなことを述べていました。

確かにAIや次世代ロボットは人間の雇用を奪うが、それによって失われる仕事、つまり工場で製品を組み立てるような単純作業はそもそも人間がやるべき仕事ではない。AIやロボットのような技術革新は、むしろ人間が本来やすべき仕事を見つける良いチャンスになる。

非常に印象的な言葉です。

我々はどうしても「AIは我々から雇用を奪うか?」「AIの発達によって将来なくなる職業」といったように、雇用が「なくなる」という方向に自然と考えが及んでしまいます。

しかし、AIの発達によって新たに「生まれる」職業もきっとあるのではないでしょうか?

いや、むしろそのような新たに生まれる職業の方が多いのではないかと私は信じています。

楽観的すぎると言われれば、そうも言えなくないのですが、これは歴史的に見ても、節目節目に人間が何度も経験してきたことなのだと感じます。

産業革命の歴史を振り返っても、機械の導入で工場労働者の雇用を奪ったようにも見えました。実際に「ラダイト運動」といった工場労働者による機械打ち壊し運動もありましたが、そこから新たな職業が生まれ続け、現在があるのではないでしょうか。

加えて、我々が「なくなる」職業に目を向けてしまうのは、やはり「なくなる」職業を予想することの方が簡単でだからではないでしょうか?

例えば、完璧な自動運転技術はタクシー運転手、運送業などの雇用を奪うことは容易に想像できますが、これが新たにどんな雇用を生み出すかは現在の我々では分かり得ません。

きっと、未来の我々や我々の子孫が、新たな環境に適応し、新たな雇用を生み出すのだと信じています。

少々楽観的かもしれませんが、「AIの発達はたしかに我々から雇用を奪うが、我々はきっとそれ以上に新たな雇用を生み出せる」ということを本書を読んで感じました。

 

評価

※個人的な評価となります。

総合評価:

AIに関する知識がまったくない私でも、楽しんで読むことができました。前半にあるAIの仕組みや歴史は少々難しく感じるかもしれません(これでも限界まで簡略化して説明しているのでしょうが…)。

しかし、その内容がわからなくても後半の内容には影響はないですし、多くの人が関心を寄せる内容は後半にあると感じます。前半の部分は読み飛ばしても、後半の今後のAIと人間の関係を述べた部分はぜひ読んでいただきたいです。

こんな人におすすめ

  •  「AIは我々から雇用を奪うか?」という疑問に関心のある人
  •  今後のAIと人間の関係について知りたいという人
  •  AIの歴史や仕組みに興味があるという人

人気ブログランキングに参加中です。

スポンサードリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です