第56回 西野精治『スタンフォード式 最高の睡眠』

西野精治『スタンフォード式 最高の睡眠』

皆様、こんにちは。本日は、西野精治『スタンフォード式 最高の睡眠』(サンマーク出版)をご紹介したいと思います。

内容紹介

タイトルに「スタンフォード式」とありますが、スタンフォード大学は初めて睡眠医学を本格的に研究対象とした機関なのだそうです。今では、「世界最高の睡眠研究機関」とも称されています。

本書は、そのスタンフォード大学で睡眠医学の研究をした経験を持つ筆者が、睡眠に関するあやゆる知識を実践的なレベルで解説しています。

また、冒頭で「根拠なき話は書かない」と強く宣言しています。きちんとした科学的根拠に基づく信頼に足る内容となっています。

 

本書で最も強調されている内容は、「睡眠は最初の90分で決まる」ということです。この90分の質を高められれば、その後も良質な睡眠となるそうです。しかし、逆にこの90分の質が落ちると、その後はいくら長い時間寝ても疲労感が残ってしまうと言います。

これを本書では「黄金の90分」と呼んでいます。その「黄金の90分」の質を高める方法として「体温」「脳」に注目する方法が挙げられています。ごく簡単に言えば、寝る前は体温を下げ、何も考えないようにするということです。

 

「はじめの90分の質を高めさえすれば良い」というのは、忙しい現代人には朗報です。従来の睡眠に関する書籍では、「最低でも7時間の睡眠」「日付が変わる前に就寝」「寝る時間を固定する」などの方法がありましたが、これは現代の生活に当てはめるとやや難しいです。

そういった意味でもより実践的な快眠の方法が学べます。

 

感想

本書を読んで感じたことは、従来の常識がことごとく否定されていることです。

  • 睡眠時間は90分の倍数にする
  • 睡眠時間はできるだけ長くする
  • 昼食を抜けば午後の眠気は抑えられる
  • ブルーライトは睡眠の質を落とす

などです。これらのいずれも本書では否定されています。

特に驚きだったのが、最後の「ブルーライトは睡眠の質を落とす」が誤りだとされていることです。

真っ暗な部屋で長時間スマホやパソコンを見続ければ悪影響になるということは否定していないので、完全な誤りとしているわけではありません。しかし、ほんの少しメールをチェックする程度であればそれほど影響はないそうです。

 

しかし、そうはいっても私自身、夜中にスマホをいじってしまうと明らかに睡眠の質が落ちていると感じます。これは一体何故でしょうか?

本書で述べられている理由としては、スマホやパソコンを「操作」するという行為が問題なのだそうです。

「ネットを開こうかメールを見ようか、はたまたLINEを見ようか…」このようにスマホやパソコンを操作するときは多くの選択肢が生まれてしまいます。この選択肢の中から何かひとつを選択する行為を繰り返していると、脳が興奮状態になってしまうそうです。つまり、脳は起きている状態になってしまうため睡眠の質を下げる原因となるそうです。

 

しかし、私の場合は、突然メールやLINEがきてその内容を一瞬だけ確認したときも、なんだかよく眠れなかった感じで翌朝寝覚めます。メールやLINEの通知に反応しているだけですから、この場合「選択」という行為をしていないように思えます。

ここからは私なりの考えですが、「ブルーライトは睡眠に悪影響を及ぼす」という世の通説が、まさに悪影響を及ぼしていると感じます。

つまり、「ブルーライトを睡眠に悪い」と思い込んでしまうことによって、悪影響を受けてしまいっていると感じます。

病気にはなんの効果もないただの小麦粉を「これはよく効く薬ですよ」と医師に言われて飲むと、実際に病気が治ってしまうことがあります。これを一般的に「プラシーボ(偽薬)効果」というのですが、これはその「プラシーボ効果」のまったく逆の反応ではないでしょうか。

「ブルーライトは睡眠に悪影響だ」という世の通説を信じきってしまうことによって、実際にはそれほど影響のないブルーライトによって睡眠の質が落とされてしまっている気がします。

 

まとめると、「ブルーライトは睡眠にそれほど影響を及ぼさない」というのが現在の科学的な見解だそうです。しかし、これほどに「ブルーライトは睡眠に悪い」という通説が広まってしまったため、なかなかその思い込みを捨て去るのは難しく、やはりブルーライトの影響を受けてしまうのではないかというのが私の考えです。

 

評価

※個人的な評価となります。

総合評価:

Amazonのレビューをみると軒並み非常に高い評価がつけられていましたが、個人的にはそれほど評価は高くありません。科学的根拠に基づいた主張のみをするという点については高評価なのですが、睡眠の質を高める具体的な方法にまったく目新しさがありませんでした。もちろん従来の方法が科学的に有効だと知れることに意味はあります。

睡眠の理論を学びたいという人には大変おすすめです。科学的根拠に基づいた詳細な説明がなされています。一方で、快眠のための画期的な方法を知りたいという方にはあまりおすすめでないと感じました。

こんな人におすすめ

  • 睡眠医学の最先端を知りたいという人
  • 睡眠のメカニズムを詳しく知りたいといひと
  • 短時間の睡眠で十分な休息を得たいと考えている人

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