第54回 為末大『諦める力~勝てないのは努力が足りないからじゃない』

為末大『諦める力~勝てないのは努力が足りないからじゃない』

皆様、こんにちは。本日は、為末大『諦める力~勝てないのは努力が足りないからじゃない』(プレジデント社)をご紹介したいと思います。

内容紹介

「諦めなければ必ず夢は叶う」私たちは幼い頃からそう教えられてきました。

たしかに、一部の成功者が「何度も挫折したが、諦めずにやってきてよかった」といった発言をします。それを聞くと、努力を続けてさえいれば必ず成功できると思い込んでしまうのです。表舞台で成功を明るく報道される人の裏には、その数十、数百倍の敗者がいることを忘れがちです。彼らが努力をしてこなかったかというと決してそんなことはありません。

つまり、努力だけではどうしようもない部分が必ずあるということです。トップアスリートとして長年活躍してきた筆者が語る非常に含蓄のある言葉です。

それならば、「見込みがない、才能がない」と感じた分野は潔く「諦める」ことが重要だと筆者は語ります。

特に我々日本人は「諦める」という言葉にネガティブなイメージを持ってしまいます。ほとんど負けが分かっていても、果敢に挑戦することが美徳とされる世の中です。

しかし、少し冷静に客観的に考えれば、勝つ見込みのないところで勝負することが愚かであることは誰の目にも明らかでしょう。

長年続けてきたことに区切りをつけることはたしかに苦しいものです。しかし、新たな手段や可能性を得るためにも諦めは必要です。

本書ではそのような「前向きな諦め」が学べます。

 

感想

多くの人は、手段を諦めることが諦めだと思っている。

だが、目的さえ諦めなければ、手段を変えてもいいのではないだろうか。

本書の中で最も印象に残っている言葉です。「前向きな諦め」の全てを語っていると感じます。

筆者の為末大さんは言わずと知れた陸上選手です。幼い頃にカール・ルイスの走りに衝撃を受け、陸上を始めたそうです。はじめはもちろん花形の100mに挑戦しました。体の成長が早熟だったためか、ぐんぐんと記録は伸びます。中学時代には、同時期のルイスの記録を抜いていたそうです。

しかし、その後は100mに自分の限界を感じます。圧倒的な競技人口と体格的に不利だったこともあり、自分は世界の舞台で戦えないことを痛感しました。その後は、400mや400mハードルへ転向し、皆様もご存知の華々しい成績を残します。

 

そもそも為末さんの目的は「100mで世界一になる」ではありませんでした。あくまで「世界の舞台で活躍する」ことが目的だったのです。そのため、400mハードルへ転向して、最終的には銅メダルを獲得するまでになりました。

「目的さえ諦めなければ、手段を変えてもいい」とはまさにこのことではないでしょうか。

 

我々の多くはこれを忘れがちではないでしょうか?

「○○大学へ入学する」「○○に入社したい」「○○に転職したい」などさまざまな目標を口にします。それに向かって必死に努力するわけですが、もちろん目標を達成できないこともあるはずです。

そんなときに「自分の努力が足りなかったんだ」と思ってしまいます。実際にそうである場合も多いですし、それぐらいなら問題ないのでしょうが、「自分はダメな人間なんだ」と自己嫌悪に陥ってしまう人も少なくありません。

そういう人に対して、「なぜ○○に入社したかったの?」と聞くと、「海外で仕事がしたいから」や「お金が欲しいから」などという答えしか返ってきません。目的を忘れ、あまりにも手段に固執しているのです。

 

そんなときはやはり、目的のために手段を諦めるということを意識すべきでしょう。上の例で言えば、特定の会社に入社しなくても海外で働くことはできますし、ましてお金持ちになる方法も多くあるはずです。ダメだと分かったらすぐに見切りをつけ、新たな手段を見つけることが重要なのではないでしょうか。

本書でも何度も強調されていますが、我々の人生はトレードオフの関係で成り立っています。何かを得るには何かを犠牲にしなければなりせん。才能がない、見込みがないとう分野に関しては素早く区切りをつけることも結果的には成功に導いてくれると教えられました。

 

評価

※個人的な評価となります。

総合評価:

学校や自己啓発本、セミナーではよく「諦めるな。諦めなければ、必ず夢は叶う。」といった発言がされます。しかし、実際に成功できる人は全体のごく一部なのが現実です。

そうであれば、より成功できる可能性が高い分野で努力したほうが良いに決まってます。「諦めるな!」で使われる「諦める」という言葉はどうもネガティブな印象ですが、新たな手段、可能性をあたえてくれる積極的な「諦める」について書かれた本です。

こんな人におすすめ

  • 長年やってきたがなかなか結果が出せないものがあるという人
  • 「これだけやってきんだから」と見切りをつけられないでいるという人
  • 「諦める」という言葉にネガティブなイメージを持っている人

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