第45回 古賀史健『20歳の自分に受けさせたい文章講義』

古賀史健『20歳の自分に受けさせたい文章講義』

皆様、こんにちは。本日は、古賀史健『20歳の自分に受けさせたい文章講義』(星海社新書)をご紹介したいと思います。

感想

はじめに申し上げますが、大変おすすめの本です。その理由はここから説明しますが、ぜひ皆様もご一読ください。

本書は「はじめに」の部分で「『話せるのに書けない!』のはなぜか?」という問いを考えています。さらに、本書の第一目標として、「話せるのに書けない!」を解消することを挙げています。おそらく「文章が書けない」「文章が苦手だ」と思っている人の多くが、この「話せるのに書けない!」という悩みを抱えているのではないでしょうか。誰かと話すときはそれほど考えることもなく自分の思ったことが言えるのに、いざ手紙やメールとなると一向に筆が進まない。こうした経験は誰しもがお持ちでしょう。

本書は、そのような「話せるのに書けない!」という状況を解決してくれます。さらに、それだけにとどまらず、「人の心を動かす文章」を書くノウハウを惜しげもなく披露しています。”現場”で働くライターだからこその、机上の空論を一切省いたかなり実践的な文章論やテクニックが満載です。

これだけの内容をこの値段で、このサイズの文庫本で学ぶことができるのは正直驚きです。また、筆者自身が文書の”プロ”ですあるため、大変読みやすく分かりやすい文章で書かれています。

 

学ぶところが大変多く、皆様にもぜひ知ってもらいたいところが多かったので、今回はどこを紹介すべきか悩みました。「これもいいなあ」「あれについても書きたい」といろいろ考えたのですが、本書でも「何を書くか?」ではなく「何を書かないか?」を意識すべきだという項目がありました。あれもこれもと並列で語った文章はやはり読者の心を動かしにくいようです。

そこで、詳細なテクニックはすべて本書に譲ることにして、筆者が考える文章論の一部をご紹介して、それについて考えてみます。

書くことは、考えること

われわれは、理解したから書くのではない。

理解できる頭を持った人だけが書けるのではない。

むしろ反対で、われわれは「書く」という再構築とアウトプットの作業を通じて、ようやく自分なりの「解」を掴んでいくのだ。

長年ライターとして活躍してきた筆者が、「書く」という行為について上のように述べています。これについて皆様がどう感じられるかはさまざまだと思いますが、私はまったく同じことを本ブログを開設してから感じました。

本ブログも、今回で書評の記事は45になりました。ここまで書いてきて思ったのは、まさに「書くことは、考えることだ」ということです。よく「書いたり話したり、アウトプットの作業を行うとよりいっそう理解が深める」ということが言われていて、これに関しては異論の余地はないでしょう。私自身もブログを書く際は「なるほど、参考になった」と思ったところを書くのですが、書いた後により深い理解が得られたことは何度もあります。

しかし、「書く」という行為の本当の力はそれ以上であると感じます。というのは、ここまで45の記事を更新し、それと同じだけの本を読んでいると「何を言っているかまったく分からない」という部分がもちろんありました。それでも、1日1冊というコンセプトを公言している以上は、「内容が分からなかったので、今日は休みます。」とも言いにくいです。どうにかして、その日記事を書き上げてブログを更新しなければなりません。そんな時は、しょうがないので理解も不十分なまま書き始めます。

ところが、少しずつでも記事を書き進めていくと「あっ!これはそういう意味だったのか!」「なるほど!筆者はこういうことを言っていたのか!」と思う時が多いです。その理解や解釈があっているかはさておき、とりあえず自分なりの理解や解釈はできるのです。

筆者の言う「われわれは『書く』という再構築とアウトプットの作業を通じて、ようやく自分なりの「解」を掴んでいくのだ。」とは、まさにこのことではないかと実感しています。

 

現代は、メールや企画書、プレゼン資料、ブログ、SNSなどとことん書く機会が多い時代とも言えます。筆者は、この状況を、書きすぎだし、書かされすぎである異常な時代だと言っています。しかし、同時に「われわれが文章を書く機会は、この先増えることはあっても減ることはない」と断言しています。

幸か不幸か書く機会はこれからも増える一方です。それならば、これは”幸”のほうで捉えることができないでしょうか?現代は過剰なまでの情報に溢れた情報化社会とも言われます。大量の情報を短時間で処理しなければなりません。もちろん理解に苦しむ高度かつ複雑な情報もあるでしょう。そんなときは、「書く」という行為を通じて、それらの情報を処理できないでしょうか?「書く」という行為は独自の思考を持っています。

難しい情報を前にしたときは、「われわれは『書く』という再構築とアウトプットの作業を通じて、ようやく自分なりの「解」を掴んでいくのだ。」ということを思い出してください。

評価

※個人的な評価をとなります。

総合評価:

冒頭でも述べましたが、大変おすすめです。「われわれが文章を書く機会は、この先増えることはあっても減ることはない」です。そんな時代に身につけるべき文章術が学べます。「20歳の自分に受けさせたい」というタイトルになっていますが、年齢など関係無く老若男女あらゆる人におすすめします。「文章講義」と聞くと高度な内容をイメージしがちですが、そこは文章のプロである筆者がわかりやくす解説してくれます。

こんな人におすすめ

  • 文章を書こうとすると、考えをうまく言葉にできず固まってしまうという人
  • 「読者の心を動かす文章」を書きたいという人
  • 説得力・論理性のある文章を書きたいという人

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