第25回 六波羅穣『一流の記憶法』

六波羅穣『一流の記憶法』

皆様、こんにちは。本日は、六波羅穣『一流の記憶法』(ニケ出版)をご紹介したいと思います。

六波羅穣『一流の記憶法』

感想

皆様はこれまで「記憶力がよかったらなあ」と思う経験をしたことがおありですか?

入試や資格試験を受験した経験をお持ちの方はそう思ったことがあるではないでしょうか。入試や資格試験に向けて懸命に勉強するものの、「覚えるべきことが多すぎてなかなか暗記できない。」また、「覚えていたつもりだったが、いざ本番になると思い出せなかった。」ということは受験者のほとんどの人が抱える悩みではないでしょうか?

一方で、勉強時間にそれほどの差はないはずなのに、自分とは比較にならないほどの成績を出す人もいたのではないでしょうか?おそらくその人を見て、「あいつは頭がいいから」「あの子は記憶力が自分とはちがうから」と思ったことでしょう。私もそのような天才的な人をこれまでに何人か見てきました。”天才的”と表現しているだけあって、自分には到底真似のできない天与の能力が備わっているのだ、と思っていました。

しかし、本書の著者である六波羅氏が語るには、優れた記憶力は誰でも手に入れられるそうです。そのためには記憶のメカニズムを知り、効率的な記憶方を身につける必要があるといいます。

今回は、その記憶のメカニズムについての内容を要約し、それについて考えてみたいと思います。

記憶のメカニズム

筆者が語るには、記憶は次の3つの段階から成り立っていると言います。

①銘記(符号化) ②保持(貯蔵) ③想起(検索)

①銘記の段階で情報を脳に取り入れます。一般に「記憶」と聞くとこの段階を思い浮かべると思います。

②保持の段階では、文字通り脳内に情報を保持します。「記憶力が良い」とは、この段階で情報を保持できる量が多く、時間が長いことと認識している人も多いのではないでしょうか?

③想起の段階では、保持されている情報を取り出します。「検索」とも言われる理由は、ちょうどインターネットの検索エンジンとメカニズムが似ているからだそうです。膨大の情報の中から、何かのキーワードが与えられると、それに関連する情報を取り出します。

以上の3つの過程を「記憶の過程」としています。お分かりかと思いますが、情報を取り込む」ことが記憶なのではなく、「情報を取り込み適切に取り出す」ことまでが記憶なのです。

多くの人は①銘記や良くても②保持までを「記憶」と認識しがちではないでしょうか?かく言う私もその認識でした。つまり、脳内に情報を取り入れ、それをできるだけとどめておくことが記憶だと思っていました。そのため、受験勉強や資格試験の勉強をするときも、内容を頭の中に取り入れとどめることばかり意識して、③想起の段階をあまりにも意識していませんでした。

多くの人が記憶力に悩む原因はここにあると筆者は語ります。つまり、③想起の段階をもっと意識すれば、記憶力は格段に良くなると言うのです。

ここからは、具体的な効率の良い記憶法について考えます。

皆様も短期記憶長期記憶という言葉を耳にしたことがおありだと思います。それぞれの意味についてはおよそその字が示す通りです。また、短期記憶の容量や大変少なく、長期記憶のそれは大変多いという事実もご存知でしょうか?「記憶力の向上」とは端的に言えば、特定の情報を効率的に長期記憶にする術を身につけるといったところでしょうか。

そのために、本書で挙げられている方法は

「ある情報を長期記憶にするには。『その情報を一定時間後に想起する』のを繰り返せばよい」

と言うものです。また、その際は、なんらかの手かがりといっしょに想起するべきとも語っています。

「一定時間後」というのがポイントらしく、忘れるか忘れないかのタイミングで想起を行なうことで効率的に記憶できるそうです。よって、✳︎ただ闇雲に何十回も音読したり、同じ単語を書き続けたりするのは効率的でない場合もあるそうです。

例を挙げると、「フィリップ2世」という歴史の単語を覚えたいときに、この単語を何十回も書き付ける暗記法は効率的ではありません。例えば、「カペー朝」や「ジョン王」など関連のある手がかりといっしょに忘れそうなタイミングで思い出すことが効率的です。

✳︎何十回も音読したり、書いたりする反復練習が効果的でないわけではありません。本書の後半でそれについて言及している部分があります。簡単に説明しますと、箸を持つ・文字を書くなど、いわゆる「体で覚える」必要があるものには大変有効です。上の例では、「フィリップ2世」という文字を反射的に書けるようにするには有効ですが、もちろんそれが目的ではないので、この場合はあまり効率的ではないそうです。

暗記となると、やはり重要な部分にアンダーラインを引いたり、付箋をつけたり、何十回も同じ単語を書き続けたりしまいがちです。しかし、それらの多くは「想起」という記憶の段階を無視しがちです。そう言われてみると、私も暗記となるとそのような反復練習を繰り返していましし、「想起」を意識することがあまりにも少なかったです。

何かを記憶する際は「想起」という段階を意識してみるとよいそうです。

評価

※個人的な評価となります。

総合評価:

「記憶」という行為の認識を大きく変えられました。特に何かを暗記する際はインプットばかりを意識しがちですが、アウトプットの部分もかなり重要なようです。また、「優れた記憶力は誰でも手に入れられる」という謳い文句も魅力的です。具体的な記憶法も詳細に説明されているところも高評価です。

こんな人におすすめ

  • 記憶力を向上させたいという人
  • 自分は記憶力がないと思い込んでしまっている人
  • 効率的な記憶法を知りたいという人

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