第20回 熊野宏昭『ストレスに負けない生活―心・身体・脳のセルフケア 』

熊野宏昭『ストレスに負けない生活―心・身体・脳のセルフケア 』

皆様、こんにちは。本日は、熊野宏昭『ストレスに負けない生活―心・身体・脳のセルフケア 』(ちくま新書)をご紹介したいと思います。

熊野宏昭『ストレスに負けない生活―心・身体・脳のセルフケア』

感想

皆様は日頃から「ストスレがたまるなあ」と感じることはありますか?

おそらく多くの人はYesと答えるはずです。昨今、ストレスの対処法に関する書籍やテレビ番組が多いことをみれば、多くの人がストレスを抱えているということをなんとなく認識できると思います。

ところで、「ストレス」とは一体何なのでしょうか?

本書でも述べられていますが、「ストレス」は実体がなく、体内で何らかの物質が増加(または減少)している状態ではないそうです。そのため、ストレスの計測もできません。

つまり、ストレスの感じ方というのは非常に主観的な部分が多く、その影響も個人差が大きいです。ある重要な仕事を与えられても、「これは自分を成長させるいい機会だ」と感じる人もいれば、「こんな仕事は自分には無理だ」と感じてしまう人がいることを考えればなんとなく理解できるでしょうか?

そこで、本書の狙いは、「ストレスを受けない」ことを目指すのではなく、「ストレスを感じにくい体質」を身につけることです。

精神的に大きな負担のかかる出来事が大きなストレスになることは言うまでもありませんが、日々のなにげない行動の一つ一つがストレスになり得ると聞いたことがあります。となれば、そのストレスを日々の生活から排除することは現実的に考えて不可能です。

「ストレスを感じにくい体質」を身につけるためには規則正しい生活習慣と心理的な余裕が必要だと筆者は主張しています。皆様も、「いつもなら全く気にしないのに、今日だけは他人の言い方に腹が立った。」という経験がおありではないでしょうか?もしおありなら、心理的な余裕のない状態では、どうでもいいことをストレスに感じてしまうというのは経験的にお分かりいただけるでしょうか。

よって、規則正しい生活習慣と心理的な余裕が重要だということになるのですが、はっきり言って、それができれば苦労しません。というよりも、それらが重要なことはなんとなく理解しています。

それでは、具体的にどのような方法で「ストレスを感じにくい体質」を身につけていけばいいいのでしょうか?

本書では、「力まず編」「避けず編」「妄想せず編」の3章に分けてその方法を解説しています。今回はそのなかの「力まず編」から「リラクセーション」に関する部分を取り上げたいと思います。

「リラクセーションとは、ただゆったりとした心身の状態を指すのではない」

ストレス解消のためにリラックスした状態が効果的だというのは皆様も耳にしたことがあると思います。リラックスした状態が効果的であるならば、睡眠時というのは極限のリラックス状態と言えるので、睡眠さえ取ればストレスは解消されるはずです。しかし、現実にはそうなっていません。

筆者は「リラクセーション状態」ストレスに効果的だと主張しています。また同時に、「リラクセーション状態」と単なる「リラックス状態」は別であるとも述べています。「リラクセーション状態」とはストレス反応とは逆である、特別な方法によって生み出される固有の状態であるのです。

それでは、その「リラクセーション状態」を生み出すには具体的にどうすればいいのでしょうか?

その方法としてあげられているのはヨーガ、瞑想、催眠などです。近年「マインドフルネス」という瞑想法が話題になっています。本ブログでも、第10回 久賀谷亮『世界のエリートがやっている 最高の休息法』でマインドフルネスについて取り上げました。本書でもマインドフルネスについて書かれている部分があり、「リラクセーション状態」を生み出す方法として、「呼吸の数を数える方法」が挙げられているので、今回はそれを簡単にご紹介します。

「リラクセーション状態」を生み出すわかりやすい原則として次の2つが挙げられています。

  1. 言葉、文、祈り、筋肉運動の繰り返しなどに心を向ける。
  2. 雑念が浮かんできたときは受け身のままやり過ごし、再び繰り返しの作業に戻る。

「呼吸を数える方法」とは文字どおり、姿勢を良くし「吸って、吐いて」の呼吸の回数を数えるだけです。しかし、これが意外と上手くいきません。回数を数えている間にどうしても余計なことを考えてしまします。そうなったときは②の原則に従って、呼吸の意識を戻します。

また、この「呼吸を数える方法」は日常的に継続することで、さらなる効果が望めるそうです。一時的に行うだけでも「リラクセーション状態」を生み出すことができるのですが、日常的に継続すると、徐々に「ストレスを感じにくい体質」が鍛えられていくそうです。皆様も是非実践してみてはいかがでしょうか?

評価

※個人的な評価をとなります。

総合評価:

数々の実験データをもとに書かれているため信憑性はかなり高いと思います。しかし、その反面専門的かつ難解な用語や解説も多いので、少々わかりにくいと感じられるかもしれません。また、本文中の例もストレスで病気を発症してしまった人の例が多く、日常のストレスの対処法として参考になる部分はそれほど多くない気もしました。

こんな人におすすめ

  • ストレスの原因と影響をより専門的に理解したいという人
  • ストレスを感じにくい生活習慣を身に付けたいという人
  • 科学的・医学的根拠に基づくストレス対処法を知りたいという人

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