第15回 羽生善治『決断力』

羽生善治『決断力』

皆様、こんにちは。本日は、羽生善治『決断力』(角川新書)をご紹介したいと思います。

羽生善治『決断力』

感想

今回も、第8回 羽生善治『直感力』に引き続き羽生善治さんの著作です。

これは私が個人的に羽生さんの著作を好んでいるというのもありますが、参考になることが大変多いので、ぜひ皆様にも知っていただきたいという思いからです。

第8回でもご紹介しましたが、羽生さんは超一流の棋士です。

しかし、この本を含め、羽生の著作を読むと、本当に頭の良い方であることがわかります。棋士として華々しい成績を残していますが、おそらくなにか別の道を進んでいても偉大な成功者になっていたのではないかと思うほど自分の哲学のようなものをお持ちです。

本日は、棋士ではない我々一般人にも参考になるような羽生さんの考えをご紹介できたらと思います。

「知識は、『知恵』に変えてこそ自分の力になる」

これを本書の序盤に出てくる見出しの一つなのですが、これを見た時は驚きました。その理由は、第13回 吉田敬一『この問題とけますか?』に書かれていたことと全く同じことを表した言葉だったからです。

第13回では楽しげなクイズとともにこの教訓を伝えていましたが、「天才」とも称される羽生さんも同様の考え持っていました。これを考えると、この教訓がいかに大事かがわかる気がします。

将棋には、「定跡」というある程度決まった形の戦法や戦型が存在します。コンピュータの普及もあり、最近ではこの「定跡」の研究はかなり進んでいます。そのため、現代の将棋では、ある程度「定跡」に沿って進む序盤でリードするとかなり有利になれるといった状況です。つまり、どれほど「定跡」を知っているかがある程度強さに関係します。

しかし、羽生さんはこの定跡、ひいては情報に埋もれがちな現代人に対し、次のように述べています。

「定跡は、ただ記憶するだけでは実戦ではほとんど役に立たない。そこに自分のアイデアや判断を付け加えて、より高いレベルに昇華させる必要がある。将棋に限らず、私たちはとにかく膨大な量の知識や情報に埋もれがちだ。定跡を生かすにも、情報におぼれるのではなく、まず、”自分の頭で考える”ことが先決だと思っている。」

つまり、定跡というのは単なる「知識」であって、それを”自分の頭で考える”ことによって、「知恵」に昇華させなければならないということです。

言われてみれば、当たり前の気がしますが、これが意外と出来ていません。世間でも「”分かる”と”できる”は違う」とよく言われていますが、なかなか”できる”という領域には到達できないものです。特に、羽生さんの言葉にもあるように、現代は膨大な量の知識と情報で溢れています。分からないことをインターネットを使ってすぐに調べられることは良いことですが、その真偽の吟味や、自分なりに考えることを怠ってはいないでしょうか?

私もこのことは気をつけていかねばならないと感じています。このブログは1日1冊の本を紹介しているのですが、そうなれば1日1冊以上のペースで本を読む必要があります。本を読むというのは、いわば「知識」のインプットです。ここで全ての情報を鵜呑みにし、自分で考えることを怠っては、読書の意味も半減してしまいます。(いや、半減どころでは済まないかもしれません…)

そのために、このブログを活用しているという部分もあります。「ブックレビュー」と称していますが、単に本の内容を書きうつしたり、要約しただけにとどまらないように努めているつもりです。自分の意見はどうなのか、自分に当てはめるとどう言えるのかなどを書き留めています。

繰り返しになりますが、やはり膨大な量の知識や情報に溢れた現代であるからこそ、”自分で考える”という行為はよりいっそう大切だと感じます。

「才能とは、継続できる情熱である」

「天才」と称される羽生さんの「才能」に関する考えです。皆様はこれを見てどう感じるでしょうか?

一般に「才能がある」というと「生まれながらに他人より秀でた能力があること」や「他人より少ない練習で多くを会得すること」などを考えないでしょうか?私はそうでした。

しかし、羽生さん「継続できる情熱」こそが「才能」であると言います。その後を詳しく読んで見ると、非常に納得のいく内容が書かれていました。

「何かに挑戦したら確実に報われるのであれば、誰でも必ず挑戦するだろう。報われないかもしれないところで、同じ情熱、気力、モチベーションをもって継続してやるのは非常に大変なことであり、私は、それこそが才能だと思っている。」

こう言われると、私は納得してしまします。そして、私は自分に才能があると思える分野をまだ見つけられていません…

こうして文章を書いて、より多くの人の役に立つことができる日を待ちながら、がんばって毎日ブログを更新し続けようと思います。どうやら、その行為こそが「才能」であるようなので。

評価

※個人的な評価をとなります。

総合評価:

非常におすすめです。棋士の方が書いた本と聞くと、どうしても将棋の話が多くなりがちだと思う方もおられるかもしれませんが、そんなことはありません。上述したように羽生さんの本は、将棋を知らない方でも参考できる部分が大変多いです。また、タイトルの「決断力」に関する部分はご紹介できませんでした。ぜひ、皆様自身でお読みください。

こんな人におすすめ

  • 思い返せば、自分の頭で考え「決断」するということをあまりしていないという人
  • 羽生善治さんに興味をお持ちの人

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