第13回 吉田敬一『この問題、とけますか?』

吉田敬一『この問題、とけますか?』

皆様、こんにちは。本日は、吉田敬一『この問題、とけますか?』(大和書房)をご紹介したいと思います。

吉田敬一『この問題、とけますか? 』

感想

『この問題とけますか?』というタイトル通り本書には、一見ごく簡単に見えるが、意外にも難しいという問題が多いです。

というのも単なる「知識」を問う問題ではなく、その「知識」をいかに使うかという思考力がためされている問題が多いからです。

筆者は「知識」「知恵」をおよそ次のように説明しています。

オックスフォード英英辞典によると「知識」を意味する”knowledge”は「教育や経験を通して得られる情報」、「知恵」を意味する”wisdom”は「その人が持っている経験や知識をもとにした賢明な判断やすぐれた忠告ができる能力」と説明しています。「知識」は主として学校などの教育機関で与えられるのに対して、「知恵」は日常生活のなかで体得することが多いです。

よって、筆者は「知識」を静的、「知恵」を動的なものと捉えています。

たしかに、そう言われてみると、現代の学校教育では思考力を問う問題というのは少ない気がします。徐々に変わりつつもあるのかもしれませんが、依然として「情報の暗記」が占める部分が多い気がします。そのため、「日常的に使える、より実践的な知識や思考力を育むべきだ!」という主張がしばしばなされます。

これに関しては賛否が大きく分かれる気がします…

と、これでは現代の学校教育に話題が移ってしまうので、この話をここまでといたします(笑)

話を本に戻します。本書には単なる「知識」だけでなく「知恵」を必要とするような問題が計73題挙げられています。

本日は、その中から、私自身も頭の硬さを痛感させられた1題と世界的にも有名で皆様にも考えていただきたい1題をご紹介いたします。

「サイズオーバーの荷物を送る方法」

「ある男が長さ1.3mの釣竿を送ろうとしましたが、窓口で一辺の長さが1mを超えるものは送れない、と断られました。しかし男は、ある工夫をして見事、送ることに成功しました。男はどんな工夫をしたのでしょうか?釣竿を折ったり曲げたりすることはできません。」

「選びなおすと、有利か?」

「あるゲームで3つの箱A,B,Cが用意されています。その中の1つに『当たり』札が入っていますが、残る2つは『はずれ』です。あなたは挑戦者として、3つの箱からAを選択したとします。あらかじめ『当たり』の箱を知っている司会者は、残る2つの箱の1つBを開けて見せ、『はずれ』であることをあなたに伝え、『どうします?、いまならAをCに変えてもいいですよ?』と告げます。

Bが『はずれ』であることを知ったあなたは、選択を変更しますか、それとも最初のままでいきますか?もちろん、あなたはどれが『当たり』の箱なのか知らされていません。」

まず、1つ目の問題ですが、皆様は解けましたか?もちろん釣竿をたたむこともできません。

答えは「一辺が1mの正方形の箱に入れて送る」です。

一辺が1mの正方形では対角線の長さは√2mになります。√2=1.4142…ですから、1.3mの釣竿が問題なく入ることになります。

これを見て、私も自分の頭の硬さを痛感しました。「一辺が1mの正方形では対角線の長さは√2mになること」、「√2=1.4142…」という事実を知りながら、この方法を思いつかなかったからです。

これが筆者のいう、「知識」と「知恵」の違いでしょうか。使っている知識としてはいずれも中学生で習う程度のものです。

中学生の時に無理数と三平方の定理については習ってはいるのですが、それを日常生活で応用する場面というのは私にはあまりありませんでした。しかし、この問題をみると「応用する機会がなかった」というよりは「応用できる思考力がなかった」といったほうが正しかった気がします。

さて、2つの目の問題ですが、Bが「はずれ」とわかった今、「当たり」はAとCのいずれかで、その確率はともに1/2である。

というのは残念ながら間違いだそうです。

なんと、選びなおすと「当たり」の確率は2倍になります。

これは世界的に有名な「モンティ・ホールの問題」と言われています。詳しい解説は皆様自身でお調べになるか、本書をお読みください。

あまりにも直感に反しているので、世界の数学者たちはこれに反論し、議論の対象となりました。しかし、結局は確率は2倍になるというのは正しいと証明されたようです。

この結論皆様は納得できますか?

評価

※個人的な評価をとなります。

総合評価:

上で取り上げたように面白い問題があるのも確かなのですが、問題によってはその解答がやや強引に感じるものもありました(笑)しかし、単純に自分の頭で考えるのはおもしろいものです。ご家族やご友人といっしょに頭を捻るのも楽しそうです。また、なにより知っているとちょっとしたクイズのネタにできます。

こんな人におすすめ

  • 頭を使ったクイズが好きだという人
  • 思考力を鍛えてたいという人
  • 知人へのちょっとしたクイズのネタが欲しいという人

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