第8回 羽生善治『直感力』

羽生善治『直感力』

皆様、こんにちは。第8回目の本日は、羽生善治『直感力』(PHP新書)をご紹介させていただきます。

羽生善治『直感力』

感想

今回もまずは著者の紹介からさせていただきます。

第4回 森内俊之『覆す力』でも少し紹介しましたが、本書の著者は棋士の羽生善治さんです。

将棋を知らない方でも名前だけは聞いたことがあるという方も多いのではないでしょうか?

というのも、この方は一流のプロ棋士の中でも圧倒的な強さを持つ、まさに「天才」の名にふさわしい棋士です。

中学3年生という異例の早さでプロデビューをし、19歳で初タイトルとなる竜王位を獲得しました。さらに、1996年には竜王・名人・王位・王座・棋王・王将・棋聖の7大タイトルすべてを独占し、史上初の快挙に日本中が騒然としました。また、同一タイトルを一定の期数獲得、あるいは同一棋戦で一定回数優勝した場合に獲得できる永世称号についても、永世名人・永世王位・名誉王座・永世棋王・永世王将・永世棋聖と7つタイトルのうち6つの永世称号の資格を取得、永世竜王に関しても、あと1期竜王位を獲得すれば永世称号を獲得というところに迫っています。通算勝率も7割を超えており、驚異的な成績を残しています。一流の棋士が集う場でこれだけの成績を残すというのはまさに驚異的です。

その羽生善治さんが書いた本書『直感力』。ぜひ参考にしてみたいものです。

「直感とは、論理的思考が瞬間的に行われるようなものだ」

タイトルにもある「直感」とは何を指すのかを言い表した表現です。

一般に「直感」ときくと「野生的な本能」のような意味を連想しがちではないでしょうか?しかし、実際には論理的思考を頻繁に行うことで思考の時間が短縮され、最終的にはその思考を瞬間的に無意識的に行うものだ。ということです。

プロの将棋の試合はとても長いそうです。場合によっては丸1日かかる時もあり、試合によっては持ち時間が8時間の試合もあります。そんななかで、重要な一手になると思われる部分では当然のように長考します。羽生さんは最長で4時間弱を一手に費やしたこともあるそうです。しかし、意外にも4時間かけて指した一手はごく平凡で3秒程度でも指せた、と語っています。

つまり、この場合、直感に従うことが結局は最善手であったとも言えます。

将棋の世界には「長考に好手なし」という格言があり、長考している時は創造的に手を考えているのではなく、いくつかある候補の手のどれを選ぶか迷っている場合がほとんどです。

そのなかでどの手を選択するかの「見切り」をつけられるかが重要だと述べ、羽生さんはこの「見切り」の良さで自分の調子を測っているそうです。

人は目に見えるものに意識を集中しがちであるが、実際には自分のなかの知識や経験を判断材料にすることが重要である、つまり、直感に従うことが重要であると述べています。

とここまで読んできて、いつもなら私自身の例を挙げながら、その主張の正当性を確認するのですが…

申し訳ありません。この主張に見合うような経験はすぐには見つかりません(笑)

これは、羽生さんが私とは次元の違う天才的な人物だからなのか、私の人生経験が圧倒的に足りないからなのでしょうか?

個人的にはもちろん両方の気がしますが、どちらかといえば後者、つまり私の人生経験の不足によるところが大きい気がします。

何かを判断する際に即決というのは今の私にはなかなかできません。やはり「ああなったらどうしよう」「こっちのほうがいいのではないか」と迷いがちです。さらに、その選択が最善手であることもやはり少ないです。「こうしておけばよかった」と思うことが多いです。我ながら愚かだとは思います。(実際に違う選択をしていたら成功していたという保証もないのに実際の選択に後悔するからです。)

しかし、本書第1章のタイトルは「直感は、磨くことができる」です。こんな私にぴったりの本です。

そこで羽生さんは以下のように述べていました。

「直感を磨くといいうことは、日々の生活のうちにさまざまのことを経験しながら、多様な価値観をもち、幅広い選択を現実的に可能にすることではないか」

なるほど。やはり日々の「経験」が重要なようです。

「経験」が足りないために「直感力」が十分ではないという考察はだいたい当たっていたので、今の自分としては合格点を出しましょう。

これから、多くのことを経験し、さらにその中で自分なりに苦労して考えることで多くの価値観を身につけていきます。それがそのまま「直感力」を磨くことになることになれば頑張れそうです。

皆様は、自分の「直感力」に自信がおありでしょうか?

評価

※個人的な評価をとなります。

総合評価:

棋士の方が執筆した以上、やはり将棋に関する話題が多いのかと思いましたが、そんなことはありませんでした。それどころか、適切に将棋の話題を出しながら、一般的な教訓に繋がる部分が多く非常に参考になります。「スランプのとき、いかに心を処するか」「インプット以上にアウトプットを」、「アイデアを付け足されていくもの」などなど我々一般人にも役立つ知識が多いです。ぜひご一読ください。

こんな人におすすめ

  • 「直感」を先天的なものと考えているという人
  • 「直感」に従うことは論理性、合理性を欠いていると考えている人
  • 独自性、自分らしさに自信がないという人

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